2021.01.16

ロケッツ指揮官がハーデン退団後の会見にて「状況をリセットして前へ進めるようになるかは私次第」

袂を分かつことになったサイラスHCとハーデン[写真]=Getty Images
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コーチとして覚悟と責任を背負うサイラスHC

 1月15日(現地時間14日、日付は以下同)、ブルックリン・ネッツよりジェームズ・ハーデンの加入が正式に発表され、スーパースターを中心とした4チームによる大型トレードが成立した。この報道が多くのファン、そしてリーグ全体に衝撃を与えたことは間違いない。

 しかしハーデンを放出したロケッツのメンバーは、これを機に新たな一歩を踏み出そうとしている。今季開幕前、ハーデンはトレーニングキャンプの参加に遅れており、チームの輪をかき乱すような身勝手な振る舞いにチームメートたちは静かに不満を抱いていたようだ。13日のロサンゼルス・レイカーズとの試合で、大差で敗北したあとのインタビューにおいて、ハーデンは「修復はできないと思う」と、チームの完成度の低さと現状について発言し、その後トレードが成立した。15日に行われたサンアントニオ・スパーズ戦では109-105とロケッツは試合を制し、シーズン再スタートを切る形になったのである。

『ESPN』のティム・マクマホン記者によれば、今季からロケッツの指揮官に就任したスティーブン・サイラスHC(ヘッドコーチ)がこの試合後にコメントを残したという。コーチになって早々にハーデンのキャンプ参加の出遅れに対応しなければならなかった彼は、「就任時の記者会見と今日とではまったく心境が異なるものだ。当初はヘッドコーチに就任する準備もできていたし、悩みの種にも向き合いながらそれを解決する姿勢でいた。それこそがコーチとしての役割だからだ。物事が完璧ではなかったのは間違いないが、行きつくところへと落ち着いたよ」と、ここまでの過程を振り返る。

「チームをあらためて再編成し、状況をリセットして前へ進めるようになるかは私次第。クレイジーな48時間だったことは間違いない。だが我々はそこから脱したんだ」と、現在はこれからの仕事に取り組む姿勢でいる。

 ここまでサイラスHCはハーデンの試合中のプレーを称えるなど、自ら彼へ歩み寄ることもあり、一時は問題は解決したかのようにみえた。しかし最終的にロケッツはハーデンと袂を分かち、サイラスHCはリスタートを切れるように責任を背負う覚悟を示した。16日の時点でロケッツは4勝6敗という戦績を記録しているが、ここから巻き返しをしていけるかに注目していきたい。

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