2021.02.15

グリーンにクミンガ……ドラフト上位候補有するNBA Gリーグ・イグナイトが公式戦デビュー

来季のNBAドラフトでトップ5指名が予想されているジョナサン・クミンガがGリーグデビュー(写真は2019年のもの)[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 「NBA Gリーグ・イグナイト」は、将来有望な若手選手を翌年のドラフトに向けて1年間育成する新設のプログラムだ。NBAのトップチームやGリーグの他球団と提携はせず、独立して運営される同チームはカレッジに変わるスター候補生の教育の場として、今後の展開が期待されている。

 そのNBA Gリーグ・イグナイトが、フロリダ州オーランドに設けられたバブル(隔離施設)で待望の公式戦デビュー。初戦の相手は、ゴールデンステイト・ウォリアーズ傘下にあり、最近ジェレミー・リンが加入したことで話題となったサンタクルーズ・ウォリアーズとなった。

 この日の注目の的は、来シーズンのドラフトでトップ5指名が確実視されているイグナイトのジョナサン・クミンガだった。コンゴ民主共和国出身、203センチ95キロという恵まれた体格を有するこのスモールフォワードは、プロデビュー戦で19得点、4アシストをマーク。ヤニス・アデトクンボを彷彿とさせる躍動感溢れるドライブで幾度となくゴール下に侵入したかと思えば、視野の広さを感じさせる冷静なパスやアウトサイドからのシュートを織り交ぜるなどアスレチック性能を遺憾無く発揮し、初陣の勝利に貢献した。

 一方、「ESPN」の選手番付“ESPN 100”でclass of 2020の1位に君臨するジェイレン・グリーンは、27分間の出場で11得点、5リバウンド、2アシストと及第点止まりの結果に終わった。固さが目立ち、前半はわずか2得点とほとんど見せ場を作れず。それでも後半に入ると味方の協力的なスペーシングもあり、ドライブインや3ポイントシュートで才能の片鱗を覗かせたが、期待度の高さゆえ「もっとやれると思っていた」というネガティブな感想のほうが多かったように思える。

 しかし、第2戦のオクラホマシティ・ブルー戦では、いよいよ本領発揮。グリーンは、第1クォーターで2回のアリウープを叩き込むと、そこから一気に流れに乗る。鋭いリムアタックにジャンプショットをバランスよく織り交ぜ、最終的には21得点、5リバウンド、シュート成功率66.6パーセントを記録。まだまだ芯の細さは否めないが、身体のバネと跳躍力、コートを切り裂くスピードには目を見張るものがあり、仮にゲームメイクを一任できる優秀なガードがいれば、ポテンシャルは今以上に開花するような印象を受けた。

 

 なお、この試合ではクミンガも24得点、6リバウンド、4アシスト、2スティールの好スタッツを残し、2枚看板の躍動もあって、イグナイトは2連勝を収めている。

 そして、渡邊雄太がプレーする可能性のあったラプターズ・905との第3戦も見事113-105で勝利を飾り、イグナイトはGリーグ3連勝を達成。同試合ではクミンガが23得点、13リバウンドでダブル・ダブル、グリーンが21得点、3リバウンドと前節に続き、揃い踏みで20点超えを記録している。

 次節は、2月16日(現地時間15日)にアイオワ・ウルブズと対戦。来シーズンのドラフト予想の参考材料を集めたいNBAファンは、今後もイグナイトのゲームをチェックしていくべし。

 文=Meiji

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