2021.04.25
現在NBAでのキャリア3年目を過ごしている渡邊雄太。2ウェイ契約を結んだグリズリーズでは1年目こそ平均11.6分の出場機会を得たが、翌シーズンは5.8分に半減。2019-20シーズン終了後にフリーエージェントとなるが、昨年11月にトロント・ラプターズのトレーニング・キャンプに招待され、10日間契約を締結。その後、ラプターズと2ウェイ契約を結んだ渡邊は、開幕3試合目で初出場を果たすと、ニックナースヘッドコーチを信頼を勝ち取って積極的に起用される。3月4日(現地時間3日)のデトロイト・ピストンズ戦では、新型コロナウイルス感染拡大の影響でレギュラークラスが欠場を余儀なくされたこともあり、自身初のスタメン出場を果たした。
渡邊はここまで22試合の出場で平均12分12秒2.7得点3.2リバウンドの成績を記録。主にディフェンス面での貢献を買われて出場機会を得ているが、渡邊がSNS上で話題となるできごとがあった。2月20日に行われたミネソタ・ティンバーウルブズ戦の第3クォーター残り10秒で、今年のNBAドラフト全体1位指名を受けたアンソニー・エドワーズが、ディフェンダーをかわしてドライブ。シュート態勢に入ったエドワーズに対して渡邊はブロックに飛ぶが、豪快なポスタライズダンクを食らってしまった。
同日のナンバーワンプレーに選ばれたこのダンクがSNSで紹介されると、コメディアンで俳優のケビン・ハートが「このディフェンダーはリーグから去らなければならない。ここからカムバックをするのは無理だ。彼にとって悪夢だろう」とコメント。瞬く間にSNS上で拡散されることとなった。
思わぬ形で名前が広がった渡邊は、ピストンズ戦後の会見でそのことについて問われると、「話す機会があればと思っていました」としたうえで、「ああいうダンクをかまされるとバカにされるというか、悪い意味で有名になったりもするけれど、僕の場合あのダンクをブロックにいかないという選択肢は絶対ありえない」とコメント。あの場面で渡邊の頭の中に消極的な選択肢はなかったようだ。
続けて「こういう時代なのでネット上で広まるのを恐れて避ける人がほとんどなんですけど、僕がそれをしだすとここにいるべきではないし、プレータイムをもらうべきではないと思っているので。3点プレーをやらせてしまったところは反省点ですが、同じシチュエーションがあれば毎回飛びますし、100回のうち99回ダンクをされても、1回ブロックできるのなら僕は必ずああいう場面ではブロックに飛びます」と力強く語り、改めて自身の積極的な姿勢を示した。
206センチの長身を生かし、リバウンドやルーズボールといった仕事をこなして指揮官の信頼を勝ち取った渡邊。その積極的な姿勢は、間違いなく観る者に勇気を与えている。自身の信念を貫いたプレーを続け、今後本契約を勝ち取ることに期待したい。
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