2021.03.31

レブロンではない…!? ウェイドにとっての歴代最高のチームメートとその条件とは?

ウェイドが歴代最高のチームメートとその条件を明かした[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 2019年にコートを退いたドウェイン・ウェイドは、誰もが認めるマイアミ・ヒートのレジェンドだ。背番号3を永久欠番に持つシカゴ生まれの39歳は現在、家族との時間を大切にしながら、時折コメンテーターやゲストとして映像内に登場し、ファンの前に姿を現してくれる。

 ウェイドは最近、元NFLプレーヤーのブランドン・マーシャルらが司会を務める『I AM ATHLETE』に出演。同番組では、ウェイドが親のあるべき姿や子供との接し方など、オフコートにおける哲学が語られたが、『I AM ATHLETE』ファミリーからはもちろんバスケットボールの質問も飛び出した。

 なかでも、ウェイドが抱くG.O.A.T.論、そして自身のキャリアにおける歴代最高のチームメートに言及する一幕は、NBAファンにとって興味深いパートとなった。

 ウェイドの“バディ”と言えば、誰もがまずはじめにレブロン・ジェームズを思い浮かべることだろう。2009-2010シーズン、クリス・ボッシュとともにビッグスリーを形成したフラッシュとキングは、5年間でNBAファイナル進出4回、2度のチャンピオンリング獲得と、低迷していたヒートに黄金期をもたらした。

ウェイドはレブロン・ジェームズ、クリス・ボッシュとビッグスリーを形成し、NBAチャンピオンに2度輝いた[写真]=Getty Images

「マイアミの外に出る時も、コート上にいる時もいつも背中を支えてくれた」

 史上最高の戦友を1人選ぶ質問の解答には、誰もがレブロンを期待しただろう。しかし、ウェイドは予想と期待を裏切り、次のように述べている。

「ここで答えるには難しい質問だな。俺のお気に入りのチームメイトは、誰もが知っているような名前ではないからね。みんながレブロンと言ってほしいと思うんだけど、それは簡単すぎるよ」

ユドニス・ハスレムは、俺の歴代最高のチームメートさ。俺たちは同年にヒートに入団した。ナイトクラブにいる時も、マイアミの外に出る時も、コート上にいる時も、UD(ハスレムの愛称)はいつも俺の背中を支えてくれた」

「兄弟関係を築いたんだ。そして、俺たちは親しくなり、ともにチャンピオンシップを勝ち取った。そして、マイアミにいる時はコートの外でさえ、何も心配しなくていい。『俺にはUDが付いてるぜ』って感じるからね」

同期入団で、兄弟のような関係を築いたウェイドとハスレム[写真]=Getty Images


 ヒート一筋18年。現役最長のフランチャイズプレーヤーであるハスレムは、ウェイドとともに2003年にヒートへと入団。ドラフト外にもかかわらず、長年不動のインサイドプレーヤーとしてスターターを務め、40歳になった現在は出場時間こそないものの、精神的支柱としてチームを鼓舞している。

 ウェイドとハスレムは15年もの間、マイアミで苦楽をともにした。同時引退を検討したことも含め、これまでのエピソードは数知れず。また、2人はシューズスポンサーも同じリーニンであるほか、マイアミでは『800 Degrees Miami』というレストランを共同経営している。

 ウェイドにとって、最高のチームメイトとは、どのような存在なのだろうか。インタビューのなかでは、その定義をこう説明している。

「仮にスターターではなくても、ベンチに下がれば声をかけたり、励ましてくれるようなヤツだ。出場時間が短くても、こういうヤツはどこでも歓迎されるし、尊敬されるんだ。ネームバリューじゃない。コートに立たなくても、1人の人間として打ち解けて、リスペクトされるような選手だよ」

 なお、ウェイドはハスレムのほか、ジェームズ・ジョーンズやクエンティン・リチャードソンらの名前も挙げている。

 文=Meiji

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