2021.07.15
レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)とステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)の関係値は、ここ数年で劇的に深まったように思える。
レブロンがクリーブランド・キャバリアーズに在籍している頃、2人は2015年から4年連続、NBAファイナルで激突。トッププレーヤー同士の宿命として、両者は自他ともに認めるライバル関係にあった。
レブロンがレイカーズ移籍後、その関係は激化するものと思われたが、ふたを開けてみると効果は真逆に働いた。過去のオールスターゲームや代表でも同じチームになったことのなかったレブロンとカリーは、今年のオールスターで初めてチームメートとして共闘。互いにライバルと認識していた数年前のヒリヒリとした関係はほぐれ、まるでかつてトラッシュトークを繰り広げたことは水に流したかのように、仲睦まじい間柄を見せてくれた。
それ以降、レブロンとカリーがNBAでもドリームタッグを結成するという話題は後を絶たない。「ESPN」のポッドキャスト番組『Brian Windhorst & The Hoop Collective』では以前、レブロンがカリーを熱烈に勧誘していることをほのめかしていた。
「レブロンは(カリーの勧誘に)明らかな“フルコートプレス”を仕掛けている。いや、フルコートプレスは言い過ぎたかもしれないけど、レブロンは間違いなく、ステフのリクリーティングを開始している。もし、ステフが契約延長をせずに何からの形でフリーエージェントになった場合、レイカーズは彼を突き動かすだろう」
カリーは今シーズン終了後にウォリアーズと2度目のスーパーマックス契約を結ぶ権利を得ている。これについて、球団のゼネラルマネージャーを務めるボブ・マイヤーズは、背番号30との新契約締結について「とても自信がある」とのコメントを残していた。
レブロンのカリー勧誘については、ウォリアーズのオーナーであるジョー・ラコブの耳にも届いているようだ。しかし、同氏もカリーとの契約については達観しており、冷静に動向を見守っている。
「ステフの状況は理解している。もし、彼が契約終了にともない、チームを去りたければ、彼はフリーエージェントなのでチームを去る権利があり、そうすることができるのは事実です」
「私はケビン・デュラントにも同様のことを伝えました。彼は金銭面を含め、本当に多くの場面で私たちのことを手助けしてくれました。私はケビンのことが大好きで、大変な敬意を抱いています。それは、ステフにも同様のことが言えます。彼は私たちに多大な貢献をしてくれて、我々も彼に多くを提供してきました。私たちの願いは、彼が残りたいと思うような環境を作ることです」
球団オーナーとしてフラットな意見を述べたラコブ。しかし、個人的にはレブロンの勧誘が成功することはないと予想している。
「私は、みんなが言っているステフのリクルーティングについて全く心配していません。それが起こることはないと思います」
デビュー以降、ウォリアーズ一筋を貫くカリー。NBAファンの多くは、彼がフランチャイズプレーヤーとしてキャリアを終えることを望んでいるだろう。
しかし、予期せぬことが当たり前のように起こるのもまた、このリーグの性だ。もし、今シーズンのオフにカリーが契約延長を渋るようなことがあれば、それはレブロンのラブコールに心が揺れている証拠なのかもしれない。
文=Meiji
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