2021.08.30
フェニックス・サンズとの頂上決戦を制して、1971年以来2度目のNBAチャンピオンに輝いたミルウォーキー・バックス。もちろん、この悲願の優勝は、エースであるヤニス・アデトクンボの存在なくして実現することはなかっただろう。
ヤニスはダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)以来、10年ぶりにMVPファイナルを獲得した外国人選手となった。そんなアデトクンボは、常軌を逸した活躍で、数々のレコードを達成している。
ファイナルの1試合平均スタッツで35得点10リバウンド5アシスト以上を記録したのは、クリーブランド・キャバリアーズに在籍していた頃のレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)のみ。さらに『NBA.com』によれば、フィールドゴール成功率60パーセント超えで平均30得点10リバウンド5アシスト以上を達成したのはヤニスが史上初であり、成功率60パーセント以上の30得点オーバーに限定しても、前例はシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)以外、存在しないという。
そんな記録尽くしの大活躍でシリーズを終えた背番号34だが、実はオフコートでもNBA記録を更新していた。
試合後、ヤニスはロッカールームでチームメイトたちを労うべく、トロフィーを抱えたまま、関係者たちにシガー(葉巻)を配って回った。『NBA Communications』によると、この様子を撮影した動画はインスタグラムで2300万回以上再生され、昨年レブロンとアンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)がタイトルを祝う映像を超え、NBAにおいて最も閲覧されたインスタグラム動画になったという。
This video of Giannis Antetokounmpo during the Bucks’ postgame celebration has generated more than 23 million views on Instagram, making it our most-watched Instagram video of all-time. It surpassed video of LeBron James and Anthony Davis celebrating their championship in 2020. pic.twitter.com/OmjYXqegTo
— NBA Communications (@NBAPR) July 22, 2021
古くからのNBAファンであればすぐに勘づいたかもしれないが、このシガーのセレブレーションは、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)をオマージュしたものなのだ。
アデトクンボは以前、『ESPN』でこのようなことを語っていた。
「俺たちは昨年(カンファレンスファイナルで敗戦した2018-19シーズン)、優勝できる可能性があった。俺は(エリック・)ブレッドソーとブルック(・ロペス)とミコノス島に行ったのだけれど、この島の素晴らしさを味わうためにチームの全員を連れてこられなかったことを悲しく思った。だから、俺たちがチャンピオンシップに勝利したあかつきには、みんなでトロフィーを抱えて、M.J.(ジョーダン)のようにみんなで葉巻を吸い、ミコノスのすべてを満喫したいんだ」
アデトクンボにとって、祝勝会で葉巻を吸うジョーダンの姿は、成功したバスケットボール選手の勲章と位置付けられていたのかもしれない。ここ数年、チャンピオンリングが目前に迫っていただけに、チームにとってもこの優勝はひとしおで、こんなにも葉巻が美味しく感じた日はなかったことだろう。
念願のNBAチャンピオンに輝いたバックス。このオフシーズン中、アデトクンボ率いるバックス関係者たちが、ミコノス島でパーティーを開催しているシーンが見られるかもしれない。
文=Meiji
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