2022.01.15
ディアロン・フォックスは、自他ともに認めるエースとしてサクラメント・キングスをけん引している。
全体5位指名でNBAに鳴り物入りで入団してきたケンタッキー大学出身のポイントガードは、ルーキーイヤーこそ振るわなかったものの、2年目以降から飛躍的に得点力を伸ばし、キャリア4年目となった昨シーズンはリーグ15位となる1試合平均25.2得点でキャリアハイを達成。また、アシスト数も全体9位の7.2本を記録し、他の追随を許さない圧倒的なスピードを駆使して、敵陣を切り刻んでいる。
リーグトップクラスの切れ味を評価される一方で、フォックスは線の細さが課題とされていた。現代NBAでトップに登り詰めるためには、フィジカル面の充実が必要不可欠。より自身のアスレチック性能を高め、当たり負けしない強さを手に入れれば、得点パターンはさらに広がるはず。エースの成長はチームの躍進の原動力へと変わるに違いない。
今オフ、フォックスは選手としての伸びしろと意欲的に向き合い、フィジカルトレーニングに注力している。先日、インスタグラムには重量感のあるダンベルを持ち、スクワットをしている姿を投稿。キングスの実況アナウンサーを務めるマーク・ジョーンズによれば、フォックスは7月の段階で、最後にプレーしたときから体重が4キロ以上もアップしたそう。それ以降もトレーニングを継続していることを考慮すると、来シーズンはひと回り大きくなった姿でコートに現れるだろう。ちなみに、SNSに投稿しているブルガリアンスクワットは、大腿四頭筋やハムストリングス、大臀筋に効くトレーニング。重点的な下半身の強化は、フォックスに爆速的なスピードにさらなる磨きをかけることになるはずだ。
しかし、そんなフォックスの見違える肉体を見て、NBAの調査機関は同選手に薬物テストを要求。フォックスの婚約者であるレシー・コールドウェルは、フォックスがSNS投稿の翌日にドーピング調査局からメッセージを受け取った旨を報告しており、あまりにもタイムリーなアプローチには、フォックスとフィアンセも笑いを隠せなかったようだ。
Fox’s weight gain is getting noticed… pic.twitter.com/bH9lxJjkYf
— James Ham (@James_HamNBCS) September 7, 2021
ちなみに、NBAの薬物テストは、“ランダム”に実施されるものと言われている。例えば、ロサンゼルス・レイカーズが優勝した一昨年、レブロン・ジェームズが3ポイントシュートをミスした際に、ダニー・グリーンが会場が総立ちとなる強烈なプットバックダンクを披露。このシューター離れしたプレーの直後、リーグはグリーンに対して“ランダム”に薬物テストを実施しており、今回も偶然、フォックスがその対象となったものと思われる。
フォックスやコールドウェルのリアクションを見る限り、今回の調査は“シロ”と見ていい。すなわち、フォックスは正真正銘、選手としてより強靭な身体を手にしている。
キングスは、今オフにトリスタン・トンプソンを獲得し、ルーキーで加入したデイビオン・ミッチェルがサマーリーグでMVPを受賞と、好気配が漂っている。そこにエースのレベルアップが掛け合わされば、キングスにとって2005-06シーズン以来のプレーオフ出場は現実的な目標となるはずだ。
文=Meiji
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