2022.09.17

キッドやポール、カイリーをコーチしてきたスコットが挙げた「最も才能のあるPG」とは?

NBAの4チームで指揮官を務めてきたスコット[写真]=Getty Images
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 8月25日(現地時間24日)。現役時代にロサンゼルス・レイカーズで3度の優勝を飾り、引退後は複数のチームでヘッドコーチ(HC)を務めてきたバイロン・スコットのポッドキャスト番組「Off The Dribble」のエピソード23が公開された。

 今回、ゲストとして出演したのはバロン・デイビス。1999年のドラフト1巡目3位でシャーロット・ホーネッツから指名された190センチ94キロのポイントガードは、ホーネッツやゴールデンステイト・ウォリアーズ、ロサンゼルス・クリッパーズなど6チームで計13シーズンをプレー。

 ホーネッツ時代の2002年、ニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)時代の04年と、2度のオールスター選出を誇り、03-04シーズンにはキャリアハイの平均22.9得点2.4スティール、さらには4.3リバウンド7.5アシストを残してオールNBAサードチームにも選ばれた。

 するとそのポッドキャスト番組で、スコットは爆弾発言とも受け取れる言葉を発していた。

「私は偉大なポイントガード(PG)たちをコーチしてきた。ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)、クリス・ポール(現フェニックス・サンズ)、カイリー・アービング(現ブルックリン・ネッツ)だ。でも皆にはこのことを伝えておきたい。(バロン・デイビスこそが)私がこれまでコーチしてきた中で最も才能のあるポイントガードだったとね」。

 スコットはニュージャージー(現ブルックリン)・ネッツ時代にキッドを擁して02、03年と2年連続でイースタン・カンファレンスを制し、ホーネッツ(現ペリカンズ)ではポール、クリーブランド・キャバリアーズではカイリーのキャリア初期にコーチしてきた。

 キッドは18年にバスケットボール殿堂入りしており、ポールも引退後の殿堂入りが確実視されているレジェンドであり、カイリーもPGとして史上最高級のボールハンドリング、史上有数のシュート力とスキルを兼備した名選手。

 所属チームを最も多くの勝利へ導いたPGであれば、真っ先にキッドとポールが挙がるはず。だが最も才能豊かな選手としてスコットが語ったのはデイビスだった。

 全盛期のデイビスはPG離れした強靭なパワーとリーグ屈指のクイックネスに跳躍力を兼備し、目の前に誰がいようとお構いなしに強行突破して迫力満点のダンクを炸裂させるほどリーグでも指折りのPGではあった。

 05年2月にウォリアーズへ移籍すると、06-07シーズンのプレーオフ1回戦ではリーグベストの戦績を残したマブス相手に4勝2敗のアップセットで沸かせるなど、NBAでも多くのハイライトシーンを残してきたことは間違いない。

 とはいえ、スコットが指揮官へ就任したのは04-05シーズンで、そのシーズン途中にデイビスはウォリアーズへ移籍。10-11シーズン途中にキャブズで再会したものの、デイビスはすでに全盛期を過ぎていたことは否定できない。

 身体能力だけで言えば、デイビスはキッドやポール、カイリーをも上回っていたのかもしれない。ただ、PGとしての実力や実績、能力全般を加味するとその3選手の方が明らかに格上だろう。スコットとしては、ゲストとして出演してくれたデイビスへのリップサービスもあったのだろう。