2022.11.12
先日、反ユダヤ主義の映像作品のリンクを自身のSNSへ投稿し、その一件が発端となって少なくとも5試合の出場停止処分を受けたカイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)。彼が引き起こした騒動の内幕を、現地メディア『ESPN』が報じている。
アービングに処分が下されるまでの数日間、球団オーナーのジョー・ツァイ氏には彼に罰則を与える嘆願が殺到していたようだ。アービングが公の場で謝罪をしなかったこともあり、ツァイ氏は出場停止処分を下すほかないとの決断に至ったとチーム関係者は語っている。
ツァイ氏は1週間近くに渡ってアービングに自身の行動を悔い改める期間を設けたようだが、彼はオーナーのテキストメッセージに返事を返すことさえしなかった様子。NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏はアービングについて「いかなるヘイトスピーチも容認できず、平等・包括・尊敬を掲げるリーグの価値観に反している」と、声明を発表していた。
また『NBA.com』によると、クリーブランド・キャバリアーズでともに優勝を果たしたレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)も、アービングを「彼の発言は多くの人に危害を加えた」と強く非難した。
5日(現地時間4日)には、アービングの契約ブランドであるナイキもアナウンスを発表。同社は彼との契約関係を即時停止し、今後に予定されていたシグネチャーシューズ「Kyrie 8」の販売を中止すると表明している。
Nike has announced it is suspending its relationship with Kyrie Irving "effectively immediately" and will not launch the new Kyrie 8 pic.twitter.com/Pr6lA7enl3
— Bleacher Report (@BleacherReport) November 5, 2022
処分が下されてからの数時間後、アービングは自身のSNSで「私の投稿で傷つき、影響を受けているユダヤ人の家族やコミュニティの方々、皆さんを苦しめてしまったことを深くお詫び申し上げます」と謝罪のコメントを投稿した。「当初、反ユダヤ主義のレッテルを貼られたことへ感情的になってしまった」。
現地記者のシャムズ・シャラニア氏は、ネッツがアービングに課したチーム復帰の条件をTwitterで共有。そのなかには、「宣伝した映画の非難」、「反ヘイト運動団体に50万ドルの寄付」、「ユダヤ人指導者との面会」などが含まれているようだ。
依然として、収拾の見込みがつかないアービングとネッツ。彼がコートに戻るためには、より一層の贖罪が求められるだろう。
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