2022.12.29
12月6日(現地時間5日、日付は以下同)。ナイキの広報担当が「カイリーはもう、ナイキのアスリートではありません」と語ったと『ESPN』が報じた。
カイリーとはもちろん、ブルックリン・ネッツのカイリー・アービングのこと。カイリーとナイキとの契約は、当初は2023年10月2日までの期間だった。ところが、カイリーが反ユダヤ主義の映像作品のリンクを自身のSNSへ投稿し、そのことを支持している意思こそ示さなかったものの、明確に否定しなかったことで問題へ発展し、11月4日にネッツから最低5試合の出場停止処分を科される事態に。
その後カイリーは自身のSNSを通して謝罪し、アダム・シルバー コミッショナーと面談するなどチームを離脱し、8試合連続で欠場。11月21日のメンフィス・グリズリーズ戦から復帰しており、今シーズンはここまで平均36.9分24.4得点4.4リバウンド4.4アシストを残し、ケビン・デュラントに次ぐ得点源となっている。
だが、今回の一件でカイリーは最新作となるはずだったシグネチャーシューズ「カイリー8」の販売がストップ。ナイキの創業者フィル・ナイトも「カイリーは一線を越えてしまった」と口にしており、カイリーの代理人も6日に「我々は双方合意のうえで決別することになりました。ナイキが今後ベストを尽くしてくれることを願っています」と『CNBC』へ話していることから、カイリーとナイキによるパートナーシップは終焉を迎えたと言えるだろう。
ナイキはNBAで最も着用されているシューズブランドであり、その割合は約68パーセントと、7割ほどを占めている。2014年にカイリーのシグネチャーモデル「カイリー1」が発売されてからというものの、リーグで最も着用されていたシューズだった。さらに『KixStats.com』が集計したところ、NBAの164選手が「カイリー7」を着用していると報じられており、現役選手たちの支持も絶大だった。
ただ、カイリーとのパートナーシップ解消によって、ナイキが現在カイリーモデルを愛用している選手たちに対してシューズの着用をやめるようリクエストすることはしないと『ESPN』が報じている。
カイリーは2011年にナイキと契約。シグネチャーモデルには「カイリー」シリーズだけでなく、低価格帯の「カイリー・ロー」と「カイリー・フライトラップ」もあり、現役NBA選手たちだけでなく、一般のバスケットボールプレーヤーたちやファンからも人気があり、近年ナイキが売り出していたシグネチャーシリーズとしても、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)のシリーズに次いで2番目に高い収益性を誇っていたという。
今回の報道により、カイリーはシューズ界におけるフリーエージェント(FA)となった。変幻自在かつ切れ味鋭いボールハンドリングにリーグ屈指の高いシュート力を誇るスコアリングガードが、これから先どのブランドのシューズを着用することになるかに注目していきたい。
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