2023.03.20

制限付きFAになる八村塁、契約年数とサラリーを優先? レイカーズは再契約に尽力か

シーズン終了後に初の契約更新を迎える八村。来シーズンもレブロンやデイビスと共闘なるか [写真]=Getty Images

 ロサンゼルス・レイカーズは、プレーイン・トーナメント出場圏内の死守に向けて落とせない試合が続く。しかし、フロントの苦戦はシーズン終了後にも待ち構えている。それは、既存戦力との契約更新と来シーズンに向けたロスターの構築だ。

 レブロン・ジェームズアンソニー・デイビスというリーグ屈指の“高給取り”を抱えているレイカーズに、潤沢なサラリーキャップは残されていない。しかし、ロサンゼルスに帰還したディアンジェロ・ラッセルや、バックアップガードのデニス・シュルーダー、獅子奮迅の活躍を続けるオースティン・リーブスなどは今シーズン終了後に契約満了を迎えるため、2023-24シーズンも共闘するためには新契約を締結しなければならない。

 八村塁もまた、今シーズン終了時にルーキー契約を終え、制限付きフリーエージェント(FA)となる。今夏の契約交渉は必至で、優れたサイズとオフェンスバリエーションを持つ彼に触手を伸ばす球団は決して少なくないだろう。

『HoopsHype』のマイケル・スコット氏は、最新のPodcastで『The Athletic』のジョバン・ブハ氏とレイカーズの未来について意見交換を実施。リーグに精通する2人は、その番組内で八村の契約の行方についても言及した。

 初の契約更新を迎える八村だが、スコット氏は八村の交渉で重要視されるパートをこう予想した。

八村塁は、制限付きFAの立場から契約年数と契約金を優先するでしょう。八村を獲得するために3つの2巡目指名権を手放したレイカーズには、潜在的なオファーシートにマッチするプレッシャーがあるように思えますが、球団が彼を選手として評価しているのは明らかです」

 レブロンやデイビスが不在時の得点力、チームに欠けているアウトサイド、リム付近でのフィジカルとサイズのすべてを網羅する選手は、現時点のロスターには八村を除いて存在せず。ダービン・ハムヘッドコーチはポテンシャルを含め、たびたび八村を賞賛するコメントを残した。また、トロント・ラプターズの優勝と選手育成に貢献したフィル・ハンディーアシスタントコーチも熱心に八村を指導し、期待の表れは様々なアングルから見て取れる。

通算フィールドゴール成功1000本目を達成するなど着実にキャリアを歩んでいる [写真]=Getty Images

 ブハ氏もレイカーズが八村残留に尽力すると予想。しかし、それには契約年数と金額がカギになると推測した。

「レイカーズは、彼をとどめておきたいと思っているでしょう。彼はノンタックスペイヤー・ミッドレベル例外条項に該当する選手ですからね。2年2000万ドル(約26億4000万円)から、3年3000万ドル(約39億5000万円)のレンジと予想します」

「ワシントン(・ウィザーズ)とレイカーズ時代のスタッツを比較すると、全体的に大きな変化はありません。レイカーズは1000万ドル(約13億2000万円)前後のオファーを提示すると思いますが、もし彼がそれ以上を求めるか、ほかのチームがより金銭的に魅力的なオファーを提示するのであれば、レイカーズは手を引くかもしれませんね。しかし、彼らは3つの2巡目指名権と交換するほど彼を高く評価しており、彼を引きとどめたいはずです」

 2人の共通認識は、レイカーズが八村を高く評価しているということ。契約成立直後にも議論の的となっていたが、レイカーズは毎年、ロスター構築に苦戦しているにもかかわらず、3つの2巡目指名権よりも八村との優先交渉権に価値があると判断したのだ。

 はたして、八村の下には今シーズン終了後、どのようなオファーが届くのだろうか。

文=Meiji

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