2023.06.17
NBA史上最高の選手について意見を交わす“GOAT”(Greatest Of All Timeの略)論争に、終わりは訪れないだろう。「世代ごとにGOATがいる。1人に絞らなくてもいい」と述べたドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)の意見に同調する者も多いが、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)とマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)はバスケットボールにおける唯一無二のアイコンとして、今後も比較される宿命にある。
しかし、総論としての正解がなくとも、個人の見解は自由だ。これまで歴代レジェンドたちが各々の持論を展開してきた中で、1990年代を代表する肉体派パワーフォワードのチャールズ・オークリー(元ニューヨーク・ニックスほか)も意見を述べている。
1985年のデビューをブルズで迎えたオークリーは現役時代、チームのためなら汚れ役も厭わない献身性で高い評価を受けた選手。チャンピオンリングの獲得経験こそないものの、ブルズとワシントン・ウィザーズでチームメートだったオークリーはジョーダンから厚い信頼を受け、2人は良き友人としても知られている。
そんな“MJ”の用心棒にして親友のオークリーだが、どちらか1人をチームメートに選ぶなら、レブロンを選択するようだ。
「レブロンとマイク、どちらと一緒にプレーしたいかと聞かれたんだ。僕は、マイクは親友だけど、レブロンと答えた。マイクは俺にパスしてくれないからね。彼は僕が今日や明日、シュートを打つかなんて気にしないんだよ」
レブロンとジョーダンのプレースタイルの違いのひとつには、アシストが挙げられる。前者はこれまで1416試合の出場で10384本のアシストをマークする一方、後者は1072試合のプレーで5633本のアシストを記録。これはレブロンのアシストが1試合平均で2.0本多い計算となる。
だが『StatMuse』のデータからは、オークリーとジョーダンの相性の良さがうかがえる。オークリーは現役時代、224試合でジョーダンとともにプレーし、1試合平均11.2得点11.0リバウンドをマーク。これはいずれもキャリア平均を上回る数字であり、ジョーダンと過ごしたキャリア2年目のレギュラーシーズンは同14.5得点(キャリア2位)13.1リバウンド(キャリア1位)の好スタッツを残した。
それでも最後は「砂糖つきのコーンフレークか、普通のコーンフレークみたいなものだよ。レブロンは砂糖なし、マイクは砂糖あり。俺は普通のコーンフレークだったからレブロン。彼らはいつもこのように比較対象になるんだよ」とユーモアで締めくくった。
2人を比較するのは、日本で言うところの「朝はお米派か、パン派か」ぐらい正解がないのかもしれない。
文=Meiji
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