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ロサンゼルス・レイカーズにとって、2022-23シーズンのスタートは最悪と言ってもいいほどの戦績だった。開幕5連敗を喫し、2連勝で挽回したかと思いきや、またもや5連敗に陥り、12戦を終えて2勝10敗と大きく負け越した。
だがチームはレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスという2枚看板を中心に巻き返し、今年1月下旬に八村塁、2月にはディアンジェロ・ラッセルやジャレッド・バンダービルト、マリーク・ビーズリーといった即戦力をトレードで獲得。
オールスターブレイク後にウェスタン・カンファレンスでベストの16勝7敗をマークしたレイカーズは、ウェスト7位の43勝39敗でレギュラーシーズンを終え、ミネソタ・ティンバーウルブズとのプレーイン・ゲームを延長の末に108-102で制し、ウェスト第7シードを勝ち取って2年ぶりのプレーオフへと駒を進めた。
そんなレイカーズが「NBAプレーオフ2023」ファーストラウンドで対決するのは、ウェスト2位の51勝31敗を誇る第2シードのメンフィス・グリズリーズ。ホームのフェデックス・フォーラムでリーグベストの35勝6敗と、圧倒的な強さで勝ち続けてきた。
ところが、4月17日(現地時間16日、日付は以下同)に幕を開けたシリーズ初戦でレイカーズが128-112で快勝。20日の第2戦を93-103で落とすも、ホームのクリプトドットコム・アリーナで23日に行われた第3戦でもレイカーズが第1クォーターで35-9と爆走し、111-101でシリーズ2勝目を手にした。
ここまで、レイカーズではレブロンがシリーズ平均24.7得点10.7リバウンド4.3アシスト1.3スティール1.7ブロック、デイビスが同22.0得点12.7リバウンド2.7アシスト1.7スティール5.0ブロックと両輪が活躍。
そしてその2枚看板に続く3位のシリーズ平均21.7得点に5.3リバウンド1.0アシストを残しているのが八村。レギュラーシーズンでチーム8位の平均9.6得点に4.7リバウンドだった日本人フォワードは、プレーオフに入って大暴れを見せている。
ワシントン・ウィザーズ時代の2021年以来となった大舞台で、八村は初戦でキャリアハイとなる5本の3ポイントシュートを決め切るなどチームトップの29得点に6リバウンド、第2戦でも20得点5リバウンド2アシスト、第3戦でも第1クォーター残り4分16秒でコートインすると、3ポイントシュートにレイアップ、さらにはデイビスのスティールからファストブレイクでダンクを炸裂させ、チームに勢いをもたらした。
レイカーズ加入後、レギュラーシーズンでは3ポイントシュート成功率29.6パーセント(平均0.6本成功)だった男は、プレーオフに入って驚異の成功率75.0パーセントをたたき出しており、12投中9本も沈めている。この9本はいずれもキャッチ&シュートで、レイカーズをオフェンス面で大きく助けている。
第3戦を勝利で飾った後、八村は「僕は1年間を通してこのショットを練習しています。この瞬間を待っていました。スリーを打つことに対して自信が増しましたし、みんなが僕にスリーを打つようにと励まし続けてくれます」と、3ポイントシュートについて自信をのぞかせていた。
そんな八村について、ダービン・ハムHC(ヘッドコーチ)は24日の練習後にこう語っていた。
「彼には自由に考えるようにと言ってきた。間違ったことをしているとか、何をすべきかを考えて立ち往生するのではなく、競い合うべくコートへ立つんだとね。そこで自己主張をし、アグレッシブになって、楽しんで、コートの両サイドでゲームではどんなことであろうとアタックするように、と伝えている」
25日のシリーズ第4戦は、レイカーズが勝てばファーストラウンド突破に王手、グリズリーズが敵地で勝利をモノにすれば2勝2敗のタイにできるため、重要な一戦となる。
レブロンやデイビス、ラッセルらとともに、八村が再び躍動できるか必見だ。
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