2023.04.25

自己最多の56得点をマークしたバトラー「俺はチームが勝つためにすべてをこなしたい」

バトラーの歴史的活躍でヒートがバックスに3勝1敗で王手[写真]=Getty Images
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プレーオフという大舞台で何度も大暴れを見せてきたバトラー
“プレーオフ・ジミー”という異名には「そんなことない」と笑みを見せる

 4月25日(現地時間24日、日付は以下同)。「NBAプレーオフ2023」はファーストラウンド2カードの第4戦が行われ、イースタン・カンファレンス第1シードのミルウォーキー・バックスが敵地カセヤ・センターで第8シードのマイアミ・ヒート戦に臨んだ。

 この日1勝2敗と負け越しているバックスは、シリーズ初戦で腰を強打して2戦連続で欠場していたヤニス・アデトクンボが待望の復帰。38分27秒のプレータイムでトリプルダブル(26得点10リバウンド13アシスト)に2ブロックをマーク。

 さらにブルック・ロペスが36得点11リバウンド2スティール3ブロック、クリス・ミドルトンが14得点6リバウンド8アシスト、ドリュー・ホリデーが14得点7リバウンド4アシスト2スティールを残した。

 だがこの日はヒートのトップスコアラー、ジミー・バトラーがバックスへ襲い掛かり、第1クォーターに20連続得点を含む計22得点と爆発。最終クォーターにも21得点の集中砲火と暴れ回り、ヒートが最終スコア119-114で制してみせた。

バックスへ果敢に攻め立てたバトラー(右)[写真]=Getty Images

 ヒートはタイラー・ヒーロー(右手骨折)に加え、ベテランガードのビクター・オラディポ(左ヒザの膝蓋腱断裂)も戦線離脱と、戦力ダウンを余儀なくされているのだが、バトラーはこの第4戦でフィールドゴール成功率67.9パーセント(19/28)、フリースロー成功率83.3パーセント(15/18)で計56得点に9リバウンド2アシスト1ブロックと、殊勲の働きでヒートにシリーズ3勝目をもたらした。

 試合後の会見で、プレーオフという大舞台に強いことから“プレーオフ・ジミー”という異名が出たのだが、当の本人は「そんなことない」と笑みを見せて「違うんだ。俺はバスケットボールをしているだけ」とコメント。

 とはいえ、この日のバトラーはレギュラーシーズンも含めてキャリアハイの得点をたたき出し、2021年のNBAファイナル第6戦でアデトクンボがマークした50得点以来、プレーオフでは初の50得点超え。2014年にレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)が残した49得点を抜き去り、ヒートのプレーオフにおける球団史上最多得点記録を塗り替えた。

 そしてこの56得点は、NBAプレーオフでも歴代4位タイという驚異的な記録に。この得点を上回るのは、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/63得点)、エルジン・ベイラー(元レイカーズ/61得点)、ドノバン・ミッチェル(現クリーブランド・キャバリアーズ/57得点)しかいない。

 そんなバトラーは「俺は(プレーオフの)競争的な面が大好きなんだ。ここにはベストプレーヤーたちがそろっていて、彼らが見せつける。俺は自分がそういったベストプレーヤーの1人だとは言わない。俺はただ、そういう人として見てもらいたいだけ」と口にし、こうも話していた。

「俺はロスターにいるみんなと一緒に、自分のチームが勝つためにすべてをこなしたい。(パット・ライリー球団社長とエリック・スポールストラHCが)俺のことを欲しがってくれたことには理由があると思っている。これこそが、その理由の1つという気がするんだ」

 バックスとヒートによるシリーズ第5戦は27日。もしヒートが敵地ファイサーブ・フォーラムでバックスを下して4勝目を挙げることができれば、第8シードが第1シードを撃破するというNBAプレーオフ史上6度目の快挙となる。