2023.04.28

昨年末に釈放されたブリトニー・グライナー…今後の目標や逮捕の背景を記者会見で語る

昨年末にロシアから釈放されたグライナー[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

 昨年2月にロシアで違法薬物所持と密輸の疑いで逮捕され、禁錮9年の実刑判決を受けたブリトニー・グライナー。昨年末に囚人交換で釈放された同選手が、4月28日(現地時間27日)の記者会見に出席した。

 騒動の原因となったのは、彼女がロシアリーグでのプレーのため入国した際に所持していた大麻成分入りの電子たばこ用カートリッジ。同国では違法とされているためにグライナーは逮捕され、無罪を主張するも昨夏には実刑判決が下されてしまう。逮捕から約300日もの間、彼女は母国に帰ることができず、アメリカ国内外で釈放を求める声が広がっていた。

 現在、グライナーはWNBA復帰に向けたワークアウトを重ねているようで、「スター級のプレーヤーに戻れる自信がある」ともコメント。それでも、競技に復帰した最初の1カ月は想像以上に困難なものだったという。

 今後については「心を込めて挑む」と、グライナーは堅い意志を持って競技に臨むようだ。「私はどんな目標でも達成できる。偉そうに言うつもりはないけれど、自分に賭けるだけだと思っている。ここには、私がプレーできるようになる材料がすべてそろっている。WNBAに、フェニックス(・マーキュリー)に戻ることは間違いなかった」。

 また、グライナーは逮捕の背景にWNBAの賃金問題があると説明。WNBAのシーズンは春から秋にかけて行われ、NBAに比べると短い期間となっている。このため、より多くのサラリーを求める選手は海外リーグでのプレーも検討する必要があり、グライナーもその1人だったようだ。

グライナーはリーグの賃金問題を指摘[写真]=Getty Images

「オリンピックで母国を代表しない限り、2度と海外でプレーすることはない。海外に行く選手の大きな理由は所得格差だ。私たちの多くは家族を養うため、海外でもプレーしている」とグライナーは語り、リーグに蔓延している“ギャップ”を問題の本質に捉えている。

「私を家に帰らせるために、報道を続けてくれた皆さんに感謝を」とメディアの面々に言葉を贈ったグライナー。リーグへの本格復帰に向け、彼女は着実にステップを踏んでいる。