2023.05.23

通算得点でNBA歴代9位を誇るカーメロ・アンソニーが引退表明…「別れを告げる時が来た」

バスケットボールキャリアに幕を下ろしたカーメロ[写真]=Getty Images
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NBAキャリア19シーズンに幕を下ろしたカーメロ 
「僕を支えてくれた人たちと場所にはこれから先もずっと感謝していく」

 5月22日。カーメロ・アンソニーがNBAキャリア19シーズンに幕を下ろした。

 この日カーメロは自身のSNSで動画を投稿し、そのなかで「僕にとって別れを告げる時が来た。…(バスケットボールという)ゲームが僕に目標とプライドを与えてくれた。NBAに別れを告げるのはうれしさもあるし、悲しくもある」と語り、現役引退を表明した。

 1984年5月29日にニューヨーク州ブルックリンで生まれた男は、201センチ107キロのフォワードとしてバスケットボール界で長いあいだ活躍してきた。シラキュース大学1年次の2002-03シーズンに平均22.2得点10.0リバウンド2.2アシスト1.6スティールを残してNCAAトーナメント優勝、自身はNCAA トーナメント最優秀選手賞(Most Outstanding Player)に輝き、2003年のドラフト1巡目全体3位でデンバー・ナゲッツから指名されてNBA入り。

 ルーキーシーズン(2003-04)から得点源となり、平均21.0得点6.1リバウンド2.8アシスト1.2スティールを残してオールルーキーファーストチームに選出。その後も持ち前のパワーとスピード、フィジカルの強さを駆使してポストプレーや絶妙なジャブステップなどフットワークを生かして美しいジャンパーやドライブを繰り出して得点を量産し、リーグ有数のスコアラーとなっていった。

 NBA入りから約8シーズン、ナゲッツのエーススコアラーとして活躍してきたカーメロは、2010-11シーズン途中にニューヨーク・ニックスへ移籍。約7シーズン所属すると、その後はオクラホマシティ・サンダー、ヒューストン・ロケッツ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、ロサンゼルス・レイカーズへ在籍し、6チームで計19シーズンもプレーしてきた。

 ナゲッツ時代の2006-07シーズンにはキャリアハイの平均28.9得点、ニックス時代の2012-13シーズンには平均28.7得点でリーグのスコアリングリーダーとなるなど、NBA入りから14シーズン連続で平均20.0得点以上を記録。勝負強さも兼備した男は、試合終盤の重要な場面で何度もチームを勝利へ導く決勝弾を沈めてきた。

美しいフォームから放たれたカーメロのジャンパー[写真]=Getty Images

 オールスターに10度、オールNBAチームに6度選ばれたフォワードは、レギュラーシーズン1260試合の出場で平均22.5得点6.2リバウンド2.7アシスト1.0スティール、NBA歴代9位の通算2万8289得点をマーク。

 2021年にNBAの75周年記念チームにも名を連ねた男は、アメリカ代表として2006年の「FIBAバスケットボール世界選手権」(現ワールドカップ)でオールトーナメントチーム選出とともに銅メダル、オリンピックには2004年のアテネ、2008年の北京、2012年のロンドン、2016年のリオデジャネイロと計4大会に出場し、3つの金メダル(2004年は銅メダル)も手にしてきた。

 38歳のレジェンドは、動画のなかで自身のキャリアをこのように振り返っていた。

「自分に何もなかった日々のことを覚えている。そこにはコート上のボールと夢があるだけ。でもバスケットボールが僕を表現する手段だった。僕の決心は固く、自分のコミュニティや僕がプライドを持って代表してきた数々の都市、それに僕のことをサポートしてくれたファンがいた。僕のことを支えてくれた人たちと場所にはこれから先もずっと感謝していく。彼らがこの僕をカーメロ・アンソニーにしてくれたのだから」

バスケットボールキャリアで大きな成功を収めたカーメロ[写真]=Getty Images

 NBAのプレーオフという大舞台では優勝に届かず、ファイナルのコートへ立つこともできておらず、ナゲッツ在籍時の2009年に経験したカンファレンス・ファイナルが最も大きなステージとなった。

 それでも、カーメロがリーグ有数のスコアラーとして長年にわたって活躍を続けてきたことは紛れもない事実。大学、アメリカ代表で頂点に立ち、NBA歴代9位に入るほどの点を積み上げてきたカーメロは、近い将来、バスケットボール殿堂入りするに違いない。

 19シーズンというNBAキャリアに終止符を打ち、新たなキャリアをスタートさせることを決断したカーメロ。その素晴らしいバスケットボールキャリアを祝福するとともに、これまでに見せてくれた珠玉のプレーの数々に感謝の気持ちを伝えたい。

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