2023.09.11

アメリカがドイツに敗れたことで「アップセットだ」と発言したカーメロ…その真意とは?

グローバルアンバサダーを務めたカーメロ[写真]=Getty Images
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2006年の世界選手権で敗れた自身の体験からパリ五輪の逆襲に期待

 9月9日。フィリピンのマニラにて、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」でグローバルアンバサダーを務める3人がトークショーを開催した。

 今回のワールドカップでグローバルアンバサダーを務めたのは、元スペイン代表のパウ・ガソル(元ロサンゼルス・レイカーズほか)、元アルゼンチン代表のルイス・スコラ(元ヒューストン・ロケッツほか)、そして元アメリカ代表カーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)というレジェンドたち。

 ワールドカップは前日の8日に準決勝2試合が開催され、セルビア代表が95-86でカナダ代表、ドイツ代表が113-111でアメリカ代表をそれぞれ撃破。10日の最終日には3位決定戦でカナダが延長の末にアメリカを127-118で下して銅メダルを手にし、決勝ではドイツがセルビアに83-77で勝利してワールドカップ初優勝を飾った。

 スコラとガソルはマニラにあるモール・オブ・アジア・アリーナの盛り上がりや、国際大会で激闘を演じたことでそれぞれのゲームを引き上げたことを口にし、カーメロはアメリカがドイツに敗れたことをこう表現していた。

「これはアップセットだ。率直に言って、俺たちはオブラートに包みたくはない。それはアップセットになるんだ。金メダルを目指すことをスタンダードにしているのだから、どんな展開であろうと何かが起きればアップセットとなる」

 ただ、カーメロは決してドイツを過小評価しているわけではない。「これはスポーツ、FIBA、バスケットボール界、それにファンのみんなにとってもいいことなんだ。ここでプレーするためにやってきた世界の国に知らしめることになるからね」と前向きに捉えていた。

 カーメロはアメリカ代表としてオリンピックへ4度出場し、金メダルを3回獲得してきた。だがワールドカップに出場したのは2006年(当時の大会名称は世界選手権)のみで、NBAキャリア3年目を終えたばかりのフォワードは、チームトップかつ大会6位の平均19.9得点に3.7リバウンド1.6アシスト1.9スティールをマーク。

2006年のFIBA世界選手権に出場したカーメロ[写真]=Getty Images

 だがアメリカはレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)、ドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)、ドワイト・ハワードらを擁したものの、準決勝でギリシャ代表に敗戦。アルゼンチン代表との3位決定戦を制して銅メダルこそ獲得したものの、優勝には届かなかった。

 国際大会で負けを経験したカーメロは「俺たちは負けるわけにはいかないと思っている。負けることに対する不安が俺たちの原動力となり、負けた後に勝ちたいと、突き動かしてくれるんだ」と語り、すでに出場を決めている「2024年パリオリンピック」へ向けてアメリカが今回の負けを機に成長すると期待を寄せていた。

 現時点で来夏のオリンピックをどこが制して金メダルを勝ち取ることになるのかは誰にも分からない。約1年という時間はどの国や地域にとっても平等なだけに、次の大舞台でどのチームが頂点に立つのか、これから先の動向に注目していきたい。

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