2023.12.22

「忠誠心が自分を苦しめるぞ」…カーメロ・アンソニーがリラードの移籍を後押ししていた

ブレイザーズ時代の盟友リラード(左)に移籍のアドバイスをしたカーメロ(右)/写真は2021年のもの[写真]=Getty Images
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 12月22日(現地時間21日)、NBAの元スター選手であるカーメロ・アンソニーが自身のポッドキャスト番組「7PM in Brooklyn」に出演。ポートランド・トレイルブレイザーズ時代のチームメイトで、今シーズンにミルウォーキー・バックスへ移籍したデイミアン・リラードとのエピソードを紹介した。

 リラードは、2012年にドラフト1巡目6位指名でポートランド・トレイルブレイザーズに入団。満票で獲得した新人王や7度のオールスター選出など数多くの栄冠に輝いたが、ブレイザーズでのリーグ制覇は叶わなかった。2022-23シーズン終了後にチームに対して移籍を要求したリラードは、マイアミ・ヒートへの移籍の噂なども取り沙汰されたが、最終的にバックスへの移籍が決まった。カーメロは、移籍を要求する前の段階でリラードと話したと言う。

「デイム(リラードの愛称)とは兄弟の仲だからね、早くポートランドを出ちまえと言ったよ(笑)。彼には“デイム、君は俺がデンバーにいた頃と同じシチュエーションにいる。忠誠心が自分を苦しめるぞ”、と言ったんだ。ポートランドの人々はデイムを愛してる。余計な年月が経って文脈が変わってしまう前に、時が来たんだと思って動き出すべきだ、と伝えた。忠誠心やチームとの関係はきっと変わらない。デイムは俺の言うことを理解して、“忠誠心はポートランドに刻んでいる”と言っていたよ。ブレイザーズは、デイムの銅像を置くべきだね」

 カーメロは、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)と同じ2003年にドラフト1巡目3位指名でデンバー・ナゲッツに入団し、8シーズン過ごしたあと、2011年にニューヨーク・ニックスに移籍。2013年には得点王に輝き、合計10度のオールスター選出を含め輝かしい歴史を残した。ナゲッツとニックスを代表するフランチャイズ・プレーヤーとしてチームをけん引したが、いずれにおいてもプレーオフでは結果を残すことができなかった。カーメロはその後、オクラホマシティ・サンダー、ブレイザーズ、レイカーズとチームを転々とし、2021-22シーズンを最後にNBAのコートから去っている。チームの代表する選手として活躍しながらも、NBA制覇という栄冠を勝ち取ることができなかったカーメロは、リラードに同じ思いをさせたくなかったのかもしれない。

「俺はてっきりマイアミに行くと思ってたけどね(笑)。ミルウォーキーが彼にドアを開いて、このチャンスをものにしようとしたことは、素直にうれしい。大谷翔平に大金を払うことを決めたドジャースのように、プロスポーツチームはいい選手を獲得するためには大きい決断をする必要があるんだ」

 移籍発表後、X(旧Twitter)にポートランドとブレイザーズファンに向けて感謝のメッセージを送ったリラードは、新天地でも目を見張る活躍を見せ、12月は3ポイント成功数でNBA歴代5位に浮上し、通算2万得点を達成。今シーズン、悲願のリーグ制覇を成し遂げ、カーメロにうれしい報告ができることを期待したい。

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