2023.07.28

カリーがコービーとの3つの思い出を共有「世界で一番光栄なこと」

カリーが“憧れ”の選手コービーとの思い出を語った[写真]=Getty Images

 誰かにとってのヒーローは、その時代やプレースタイルによって異なるが、ステフィン・カリーは幼少の頃、コービー・ブライアントがロサンゼルス・レイカーズでチャンピオンシップを勝ち取る姿を見て育った。

 YouTubeのトークショー番組『Hot Ones』にゲスト出演したカリーは、自身の心に残るコービーの3つのエピソードを披露している。

 最初の思い出は、カリーのルーキーイヤーにあたる2009-10シーズンのこと。コービーはすでにキャリア14年目に突入しており、この年のレイカーズは2連覇を達成している。

 ウォリアーズの背番号30は、『オラクル・アリーナ』で開催されたレイカーズ戦において、ペイントエリアで華麗なムーブを披露し、シャノン・ブラウンを相手にステップバックジャンパーから得点。そのプレーの直後、中継はベンチに座るコービーを映し、カリーの一連のプレーに関心する様子が捉えられた。

 カリーは、司会のショーン・エヴァンスに対して、コービーのリアクションを以下のように振り返っている。

「僕のルーキーイヤーの出来事だけど、あれはレイカーズをホームに迎えての一戦でした。コービーは横に座っていた同僚に対して、『おい、あいつうまいな』と話しかけていたのです。世界で一番光栄なことですよ。コービーが僕のプレーを認めてくれたのですから」

 2番目のエピソードは、ウォリアーズとレイカーズのプレシーズンマッチが舞台だった。コービーは若手のカリーに対して、狙った獲物を仕留める“ブラックマンバ”モードに入り、オールコートでカリーをマーク。カリーはコービーの威圧感とアグレッシブなディフェンスに一度はバランスを崩したものの、何とかバランスを立て直してロングレンジから3ポイントを成功させた。

「あのときは何もなかったかのように振る舞いました。人生で最も冷静さを保った瞬間だったかもしれません。コービーは畏怖すべき存在でしたからね。ディフェンスに戻るとき、彼は軽く僕の尻をたたきました。でも、僕は何もできなかった。僕は彼のマークを掻い潜って、ただディフェンスに移ったかのように演じていましたね。でも、ハーフタイムに入ってすぐ、『あの動画がほしい。持ってきてくれ。携帯に保存したいんだ』と言いました」

 そして、大切にしている最後の記憶は、コービーがカリーを“あくなき闘争本能の持ち主”であると認めたことだという。カリーはコート上で常に楽しそうにプレーすることから、“ベイビーフェイス・アサシン”の異名を持つが、コービーは歴代最高の3ポイントシューターの内部に自身と同じ闘争本能を感じたのだろう。

「誰かにそんな風に認めてもらうことはもちろんですが、コービーはそんなに褒め言葉を出すわけではないから、本当に特別なことでした」

 憧れの選手と対峙し、その思い出が原動力となっているカリー。コービーとの思い出は生涯、心の中に刻まれることだろう。

文=Meiji

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