2024.04.29

第4戦の勝利に貢献したニックスのハートが「シャックみたいだった」と語ったワケ

7本のショットすべてを落としてしまったハート[写真]=Getty Images
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■17リバウンドを奪うもショットは不発…フリースローも低調で自虐

 4月29日(現地時間28日、日付は以下同)。ニューヨーク・ニックスは、敵地ウェルズファーゴ・センターで行われた「NBAプレーオフ2024」ファーストラウンド第4戦で、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ相手に97-92で勝利を収めた。

 ニックスではジェイレン・ブランソンがゲームハイの47得点10アシストと大活躍。さらにOG・アヌノビーが16得点14リバウンド3ブロック、マイルズ・マクブライドが13得点4リバウンドを記録。

 この試合、ニックスはチーム全体でフィールドゴール成功率43.0パーセント(37/86)、シクサーズは同35.4パーセント(29/82)となかなかショットが決まらず、ロースコアの展開となった。なかでもニックスのジョシュ・ハートは7本のショットすべてを落としてしまい、フリースロー8投中成功4本のみの計4得点に終わった。

「僕らはそれ(ブランソンの活躍)を必要としていた。スモールフォワード、パワーフォワードであろうと、僕はショットを決められなかった。ブリースローではシャックみたいだった。だからこそ、彼の活躍を求めていたんだ」

 試合後にハートはそう語ったのだが、“シャック”とはもちろん、レジェンドのシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)のこと。公称216センチ147キロの巨漢は、驚異的なパワーとサイズに似つかわしくないクイックネスを兼備し、ペイントエリアを支配したNBA史に名を残すビッグマン。

 ただ、フリースロー成功率はレギュラーシーズン通算52.7パーセント、プレーオフ通算でも同50.4パーセントと低調。重要な場面では決めていたとはいえ、多くのフリースローを落としていたことで、ハートは自虐的にそう口にしていた。

リバウンドなどで奮闘するハート(左)とシボドーHC(右)[写真]=Getty Images

 といっても、ハートはこのシリーズ最初の3戦でいずれも41分以上コートに立ち、20得点以上をマークした実力者。シリーズ平均44.4分11.3リバウンドは両チームトップで、21.0得点3.7アシスト1.3スティールというオールラウンドな働きを見せてきた。

 そして第4戦でも45分41秒プレーし、両チーム最多となる5本のオフェンシブ・リバウンドを含むゲームハイの17リバウンドに5アシスト3ブロックの活躍で勝利に大きく貢献。

 また、先発センターのアイザイア・ハーテンスタインがファウルトラブルに苦しむなか、バックアップセンターのプレシャス・アチウワが7リバウンド2アシスト4ブロック、アヌノビーも相手ビッグマンのジョエル・エンビードに好守を見せるなど奮闘していた。

 第4戦で、ニックスはリバウンド数で52-42、オフェンシブ・リバウンドで15-9とシクサーズを上回った。トム・シボドーHC(ヘッドコーチ)はオフェンシブ・リバウンドについて「我々はあれがどれほど重要なのかを理解している。今日も何人かが素晴らしい仕事をしていた。彼らはしぶといんだ」と、価値あるショットと見ていた。

 『StatMuse』によると、両チームがシリーズ4戦を終えた時点で、ニックスはオフェンシブ・リバウンド計61本でセカンドチャンスから計79得点を奪取。対するシクサーズは36本で40得点というデータからも、ニックスが球際の争いで粘り強く戦っていることが分かる。

 5月1日の第5戦で、3勝1敗のニックスがホームでシリーズ4勝目を挙げて決着をつけることができるのか。そのカギは球際の争いにあると言えるだろう。

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