2025.08.16
ルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)やザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)を筆頭に、近年のNBAでは体重について専門家たちから厳しい目が向けられている。極限かつ激しいプレーを求められるNBAにおいて、オーバーウェイトはプレーのシャープさを欠くだけではなく、ケガに直結すると考えられているからだ。
ただし、適正体重を維持できないことが必ずしも悪とは言い難い部分もある。ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)は猛者たちがひしめくリーグですでに3度のMVPを受賞しており、巨漢の象徴であるシャキール・オニール(元オーランド・マジックほか)はシーズンMVP1回、ファイナルMVP3回、オールファーストチーム8回、得点王2回、優勝4回という輝かしい功績を残し、歴代最高センターとして語り継がれてきた。
だが、後者は最近、現役時代はケガに苦しみながら、騙し騙しにプレーを続けてきたことを明かしている。『Los Angeles Times』によると、体重147キロの殿堂入りセンターは痛みに耐えてプレーしてきたことを率直に認め、長年における合法的な抗炎症薬の使用が腎臓や肝臓に損傷を与えたことを公言している。
俳優のダックス・シェパードとモニカ・パッドマンがホストするポッドキャスト『Armchair Expert』に出演したシャックは、番組内で痛みの緩和と依存症の間の微妙なバランスについて語った。
シャックの会話によれば、コートに立ち続けるために2種類の鎮痛剤を使用していたという。ケガからの回復期にはオキシコドンのようなオピオイド系鎮痛剤を、そしてキャリアを通じてインドシンのような強力な非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を常用。オピオイド系鎮痛剤は、がんの痛みや手術後など強い痛みに使われることもあり、非常に強力な一方で依存性リスクもある鎮痛薬として知られるもの。また、オピオイド系鎮痛剤は、ロキソニンやバファリンがカテゴライズされるジャンルであり、炎症や痛みを抑える効果が期待できるが、副作用のリスクがあるため長期使用は推奨されていない。
シャックは医師から「鎮痛剤中毒だ」と告げられるほど、これらの薬を長年、そして規定量を守らずに使用してきた。そして、鎮痛剤を常用していた当時について、以下のように振り返っている。
「処方量を超えて服用しても“ハイ”になった感覚はなく、俺は独自の計算をしていた。1錠と書いてあったら、俺は3錠飲んでいた。19年間、クラブサンド、ポテトフライ、そして2錠の薬がセットだった」
だが、シャックは現在、鎮痛剤に頼り続けた結果、腎臓機能の低下を懸念している。事実、2003年には非ステロイド性抗炎症薬の副作用で胃腸への不調を明かしており、HBOドキュメンタリー『Shaq』の作中でも「飲まなければプレーできない時があった。いま腎臓は“おとなしくしている”状態」と述懐していた。
NBAおよびプロスポーツの世界で「痛みとどう付き合うか」というテーマは、未だに適切な解答が見出されていない。シャックの告白は、勝利の陰で薬に依存した日々を可視化し、選手たちにセルフマネジメントの必要性を改めて突き付けているように思える。
文=Meiji
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