2025.09.07

稀代の点取り屋カーメロが殿堂入り「レガシーは必ずしも優勝回数で作られるものではない」

殿堂入り式典でスピーチしたカーメロ[写真]=Getty Images
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 9月7日(現地時間6日)。ネイスミス・バスケットボール・ホール・オブ・フェイム(以降、殿堂)が、マサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで、2025年殿堂入りメンバーの式典を開催した。

 今年の目玉カーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)とドワイト・ハワード(元オーランド・マジックほか)は、2008年のアメリカ代表“リディームチーム”も殿堂入りしたことで、2つの部門で殿堂入りとなった。

 2003年のドラフト1巡目3位でナゲッツから指名されたカーメロは、ナゲッツ、ニューヨーク・ニックス、オクラホマシティ・サンダー、ヒューストン・ロケッツ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、ロサンゼルス・レイカーズの計6チームでプレー。

 NBAキャリア19シーズンで、201センチのフォワードはレギュラーシーズン通算1260試合へ出場し、キャリア平均22.5得点6.2リバウンド2.7アシスト1.0スティールを残し、通算2万8289得点でNBA歴代10位にランクインしている。

 オールスターに10度、オールNBAチームに6度、75周年記念チームに名を連ねたほか、2012-13シーズンに平均28.7得点でスコアリングリーダーに立ち、オリンピックで計3度の金メダルを獲得してきた。

「私はこれまで励まされ、批判もされてきました。(チームを)勝たせられないスコアラーと呼ぶ人もいましたし、私がとても忠実と言う人もいれば、その後になって忠実さが十分ではないと言う人もいました。彼らが孤独な夜を見ることは決してありませんでした。…それは内面的な戦いでした。ですが、私は前へと進み続けて、信じ続けました」

 殿堂入り式典のスピーチでそう語ったカーメロは、力強いポストプレーや美しい体勢から放たれるジャンパーの数々、ペイントエリアで見せるフィニッシュや3ポイントシュート、フリースローで得点を量産し、リーグ史に名を残すスコアラーとしての地位を確立。

 その一方で、NBAではナゲッツ時代の2009年にウェスタン・カンファレンス・ファイナルへ進出したものの、優勝経験はなく、NBAファイナルの大舞台へ足を踏み入れることはなかった。

 それでも、41歳になったレジェンドは「バスケットボールのゲームこそが、私の出口でした。君がプロジェクト(低所得者用の公共団地)出身の子に世界へのパスポートを与え、成功をもたらしてくれました。レガシーというのは必ずしもチャンピオンシップの回数で作られるものではありません。私は自分の持つすべてを(ゲームへ)捧げてきました」と口にし、「私にはNBAの優勝リングがありません…。ですが、自分がゲームへどんなことを与えてきたかは分かっています」と話していた。

 愛するバスケットボールに打ち込み、NBAという世界最高のプロリーグで歴代有数のスコアラーとして足跡を残したのだから、カーメロの殿堂入りは十二分にふさわしいと言っていいはずだ。

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