2023.06.05
ベイラー大学の初優勝で幕を閉じたNCAAトーナメント、通称“マーチ・マッドネス”。最近は続々と有望株がNBA挑戦を表明し、ドラフト5位以内の指名が確実視されているエバン・モブリー(南カリフォルニア大学)に至っては、自身のアーリエントリーをNFT(非代替性トークン)としてデジタルオークションに出品したことが話題となった。
NCAAトーナメントは、全米の強豪がしのぎを削ることもあり、選手の真の実力が試される。そのため、鳴り物入りで大学入りしたフレッシュマンが株価を落とすこともあれば、逆に今シーズンスターターを勝ち取ったばかりのニューカマーが一躍モックドラフトの上位にランクアップすることもある。
トロントを本拠地とする大手スポーツメディア『theScore』は、今年のNCAAトーナメントで評価を高めた選手5名をピックアップ。来年、NBAのコートで存在感を示す可能性もあるだけに、名前を覚えておいて損はないだろう。
2020-21シーズンのスタッツは、14.1得点、2.7リバウンド、5.5アシスト、1.9スティール。一見、なんてことのない数字に見えるが、特筆すべきはガードにして50パーセント超えのフィールドゴール成功率だろう。今シーズンは外角からのショットにも大きな向上が見られ、スリーポイント成功率は44.7パーセントをマーク。また、ピックアンドロールを巧みに使いこなし、ビッグマンを手玉に取るシーンも少なくなく、チームにオフェンスのリズムをもたらした。
加えて、ミッチェルがディフェンスのスペシャリストであることも忘れてはならない。今シーズンはビッグ12カンファレンス、全米バスケットボールコーチ協会(NABC)、ネイスミス賞の全てで年間最優秀守備選手賞に選ばれている。4年間の下積みは、必ずNBAでも生きてくる。1順目10位以内の指名もあるだけに、来年どの球団のジャージに袖を通しているのかが楽しみな選手だ。
今シーズンのスタッツは、18.3得点、5.5リバウンド、4.6アシストと上々の出来。まもなく23歳を迎える上級生のため、1順目指名とまではいかないだろうが、2順目での指名は十分に考えられるはずだ。
アイソレーションからの1対1、オープンスペースからのスリーポイントなど、豊富なオフェンスオプションが売りのジュザン。来シーズンはドラフトからのNBA挑戦と大学へ戻るオプションの2つが検討されており、今後の進路決定にも注目が集まる。
ガードを主戦場とするグライムスは今シーズン、クーガーズのトップとなる1試合平均17.8得点でチームのオフェンスを牽引。また、フィールドゴール、スリーポイントともに40パーセント以上の成功率を収めたが、特筆すべきはスリーポイントの試投数。前年は129本であったのに対し、今シーズンは約2倍にあたる248本を放っており、外角からのシュートに自信がついたことが伺える。
また、ディフェンス難に苦しんでいたチームにとってもグライムスは貴重な存在だった。スウィート16で激突したシラキュース大学との一戦では、相手チームのエースであるバディー・ブーハイムにわずか3つのフィールドゴールしか許さず(試投数は13)、ネクストラウンド進出に大きく貢献している。
NCAAトーナメントの開幕時、アブマスを注視していたスカウトはほとんどいなかっただろう。しかし、ゴールデンイーグルスがスウィート16で敗北するまで、アブマスは1試合平均26.7得点、4.7アシストをマークし、強豪相手にその実力が本物であることを証明した。
身長は185センチと小柄。しかし、思い切りが良く、エリア、距離不問のキャッチアンドシュートのほか、1歩で敵を置き去りにするドライブやスピード感溢れるカットなど、オフェンススキルは一級品。大化けするポテンシャルは、上の4選手を凌ぐほどかもしれない。
文=Meiji
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