12月11日（現地時間10日、日付は以下同）、NCAAディビジョン1の公式戦が行われ、南カリフォルニア大学（USC）がホームでカリフォルニア州立大学ロングビーチ校と対戦。レブロン・ジェームズ（ロサンゼルス・レイカーズ）の長男で、USCに所属するブロニー・ジェームズがNCAAの公式戦デビューを果たした。

　ブロニーは、前半残り約13分にベンチから出場。観客のスタンディングオベーションを浴びながらコートインしたブロニーは、前半残り約5分に“親譲り”のチェイスダウンブロックを炸裂させた。この姿は2016年のNBAファイナル第7戦でレブロンが見せた伝説的プレーとよく似ており、USCの公式X（旧Twitter）アカウントも“BLOCKED BY JAMES!”と当時の名実況を引用して取り上げた。

　高校時代から注目を集めていたブロニーは、2023年にUSCへ進学したものの、7月の練習中に心停止で倒れ緊急入院した。検査の結果、心停止は先天性疾患によるものと判明したが、治療を経て11月末に医師から練習再開の許可を受け、今回の公式戦デビューに至った。

　レブロンは、事前に「家族より優先するものはない」と語り、ブロニーの公式戦デビューは自身の試合を欠場してでも観戦すると公言。この日はNBAの試合が予定されておらず、前日にインシーズン・トーナメントの優勝、MVP受賞と快挙を成し遂げたレブロンは、息子の晴れ舞台を最高の状態で観戦した。ブロニーがコートインする際には自らの携帯で写真を撮るなど終始“パパ”ぶりを発揮し、感慨深い表情で息子の活躍を見守っていた。

　試合は79-84で敗戦。公式戦デビューを勝利で飾ることはできなかったブロニーだが、約17分の出場で3ポイント1本を含む4得点3リバウンド2アシスト2スティール1ブロックと躍動した。試合後の会見でブロニーは「苦難の時をずっと支えてくれたみんなに感謝している」とコメントし、レブロンもSNSで「今日の日がどれほど感動的なものか伝えきれない！」と感情を爆発させた。

　この試合で5勝4敗となったUSCは、12月19日にオーバーン大学との対戦が予定されている。引き続きブロニーの活躍に注目が集まる。