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9月8日、マニラのモール・オブ・アジア・アリーナで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の準決勝が行われ、セルビア代表(FIBAランキング6位)とカナダ代表(同15位)が激突した。
セルビアは試合開始から多彩なオフェンスでリードをつかむと、相手の主力選手らがファウルトラブルに陥ったこともあり、試合を52-39と13点を先行して折り返す有利な展開に。後半開始からは3ポイントシュートなどで詰め寄られる場面もあったが逆転は許さず、試合終盤にかけてファストブレイクから得点を量産。最終スコア95-86でセルビアがファイナルへの切符をつかんだ。
試合後の記者会見には、ガードのマルコ・グドゥリッチ、そして指揮官のスベティスラフ・ペシッチ氏がセルビアを代表して登壇。ベンチから12分3秒出場し、12得点2リバウンド1アシストをマークしたグドゥリッチは、「信じられない」と準決勝での勝利に喜びを見せている。
「こんなエネルギーは、未だかつて見たことがない。決勝でもこのリズムを維持できるよう、今日明日はぐっすりと眠れることを祈るしかないね」
この試合、ゲームハイタイの23得点を挙げたのはエースのボグダン・ボグダノビッチ(アトランタ・ホークス)だったが、グドゥリッチは影でチームを支えたオグニェン・ドブリッチ、アレクサ・アブラモビッチにも賞賛の言葉を贈った。「ドブリッチのことはよく分かってるし、一緒に成長してきた仲だ。アブラモビッチのプレーも知ることができたよ」。
FIBAのレポーターを務めるクロエ・ウェステリンク氏によると、アブラモビッチはカナダのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)の試合映像を2日間かけて見続け、徹底的に彼の“クセ”を頭に叩き込んだという。結果的に、彼は2つのスティールを奪い、カナダの流れを断ち切る重要な役割を果たした。
ペシッチヘッドコーチも、「彼らは自信を持ってプレーしていた」とドブリッチとアブラモビッチを評価。なかでも長距離砲を2本射抜き、守備でも多大な貢献を残したドブリッチを手放しで褒めている。「リトアニア代表(同8位)戦でもディフェンスは素晴らしかったが、オフェンスがあまり目立たなかった。それが今日、ワールドカップの準決勝で16得点だ!」。
ユーゴスラビア時代に5度の優勝を成し遂げているセルビア。アメリカ代表(同2位)を撃破し、初優勝のチャンスを得たドイツ代表(同11位)が待つファイナルで、6度目の王座に輝くことはできるだろうか。