2018.06.12
2月18日にブレックスアリーナ宇都宮で行われた島根スサノオマジックとのB1リーグ第20節第2戦を78-45という大差で制した栃木ブレックス。試合終了後、コートに整列した選手の中でゲームMVPとして名前を呼ばれたのは遠藤祐亮だ。ゲームMCから13得点というスタッツを紹介されて「じゃあ僕ですね」と本人も認める活躍だった。もちろんこれは観客へのリップサービスのような意味合いもあるにせよ、遠藤の活躍に異論を唱える者はいないだろう。
昨季はベストディフェンダー賞を受賞し、栃木の優勝に大きく貢献した遠藤。古川孝敏や須田侑太郎(ともに琉球ゴールデンキングス)が移籍した今季は、スウィングマンとして得点面で昨季以上の貢献も期待されているはずだ。その意味では2ケタ得点を挙げたことは納得の結果であり、「ブレックスのリズムのオフェンスの中で自分にチャンスが多く回ってくるというのもあると思うので、これからも結果を残していければと思います」とオフェンス面での自身の責任も自覚している様子だが、その一方で「オフェンスではMVPかなっていう思いはなかった」とも語る。チームが苦しんだシーズン前半戦、自身の最大の持ち味はやはりディフェンスということを再確認したという。
「前半戦はどっちつかずというか、ディフェンスも良くないし、オフェンスでもそんなに得点を取るわけでもないというのが続いていて、自分の中でリズム良くバスケができていなかった。『ディフェンスから』ということを考えてやるようになってからオフェンスも楽にできるようになって、自分はディフェンスからがんばらなきゃいけないというのを学びました」
強いチームほど激しいディフェンスから速攻を出すことを意識しており、昨季王者である栃木も最重視している部分。リーグのトップディフェンダーである遠藤がいることは栃木にとって大きな強みであり、彼自身もオフェンス面以上に強く自覚している。
「ディフェンスをがんばることでチームを引っ張るような存在でいなきゃいけないと思うので、常にディフェンスでチームに勢いをもたらせるようにしていきたい」
このゲーム、栃木が相手のターンオーバーから奪った得点は27点にのぼった。その数字の重要性は、33点差という試合結果を見れば一目瞭然。そしてディフェンスの中核を担ったのが、前半好調だった相手シューターを後半にシャットアウトした遠藤だった。上位浮上を目論む栃木にとって、遠藤のディフェンスこそがチームバスケットの起点と言っていいだろう。
文=吉川哲彦
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