2018.03.05

新連載【この一足~バッシュへのこだわり】第1回折茂武彦「僕が現役を長く続けられている秘密を教えましょう」

記念すべき連載のスタートは、“レジェンド”折茂武彦選手。バッシュへのこだわりを聞いた[撮影]=レバンガ北海道
シューズコーディネーター

いまや生活の一部にまで浸透しているバッシュ。実際にこれを履いてプレーをするBリーガーたちはバッシュにどのようなこだわりを持っているのだろうか。そして、これまでどんなモデルを履いてきたのかも気になるところ。この連載ではBリーガーにそのこだわりを聞いていく。第1回は、折茂武彦選手(レバンガ北海道)。現在47歳にして、今なお現役の“レジェンド”のこだわりとは?

取材・撮影協力=レバンガ北海道
取材・文=CARTER_AF1

NIKE KOBEシリーズは「フィット感がとてもいい」

――現在履かれているバッシュを教えてください。
折茂 ずっとKOBEシリーズを履いています。何しろ軽くて、クッション性が良くて、あとローカットというのも気に入っている特徴です。僕は結構アキレス腱に負担がかかる方なので、この3つの要素はすごく重要なんです。

――KOBEシリーズで初めて履かれたのはどのモデルですか?
折茂 多分、一番初めからです。実はこの世界に入って(企業チーム所属の)2年目からNIKEと契約させていただいていて、それから23年間サポートしていただいています。日本のバスケ界では、恐らく僕が最初にNIKEと契約し、履き始めたのではないでしょうか。それから色々なシューズを試して、毎年シューズが変わる中で自分に合うモデルを履いています。そしてKOBEシリーズが発売されてからは多分ずっと履き続けていますね。

――2月17日の川崎戦(とどろきアリーナ)では 『KOBE A.D.』のミッドのタイプを履かれていました。しかし、その前の試合では 『KOBE A.D.』のローのタイプを履かれていたかと思いますが。このモデルの優れている部分は、どんなところでしょうか?
折茂 フィット感の良さがとても気に入っている点です。僕はNIKEに出会う前は、ケガ、特にネンザが多いことに困っていました。アキレス腱炎にもなるし、そうした問題が多かったのですが、NIKEのシューズを履くようになってから、そういったことが一切なくなったんです。だからこそ履き続けています。NIKEはすごく(作りが)細身で、僕の足も細いので、(NIKEを履くと)中で足が動かなくなってフィットするようになりました。それまでは他のメーカーのシューズを履いていたんですが、足型が合っていなかったものですから、中で足が…。

現在、折茂選手が着用するNIKE『KOBE A.D.』[撮影]=レバンガ北海道

――足が動いてしまうと?
折茂 そうなんです。中で足が動くものですから、ネンザをしたり色々なケガがあったのですが、そういったことがNIKEにしてから一切なくなりました。ケガをよくしていた当時は、シューズはそんなに関係ないと思っていました。しかし、NIKEを初めて履いてからケガがなくなったので、シューズの重要性に気が付いて。それからとてもシューズにこだわって、ずっと変えずにやってきて、(NIKEに)サポートもしていただいているんです。とにかくフィット感がすごく良いですし、軽いところもとても気に入っています。

――ここで、時をさかのぼった質問を。バスケットボールはいつ頃始められましたか?
折茂 中学1年生の時です。

――その当時に憧れたバッシュはありましたか?
折茂 僕がすごく覚えているのは、中学校3年生ぐらいの時にセーフティロックというASICSのシューズ【注1】が出て。上の部分はマジックテープで、クツヒモを結んでピッと留めるタイプだったのですけど、それがすごいなって思いました。あとはASICSの一番高い、カンガルーの革を使っていたシューズ【注2】。とても高価なシューズなんですが、それにはすごい憧れがあって(笑) 高校生の頃なので、2万円、3万円のシューズはそんなには履けないですよね。だからそういうシューズには憧れました。
【注1:ASICS『SAFETY LOCK』は1980年代中期に展開されたモデルであり、クロスストラップをくるぶし付近にマジックテープで固定する仕様だった】
【注2:ASICS『FABRE POINT GETTER』は1980年代前半から展開されているモデルであり、ボディの素材としてカンガルー皮を使用している】

――これまで履いたバッシュで最も印象深いかったモデルを教えてください。
折茂 印象深いシューズというか、やっぱり、NIKEを一番初めに履いた時の衝撃はすごかったですね。

――NIKEで初めて履いたモデルというのは、何でしたか?
折茂 初めて履いたシューズははっきり覚えていないのですが。今はアップテンポなどが復刻して出ていますよね。そういうシューズをその頃試合で履いていましたね。

――『AIR MORE UPTEMPO』ですか? スコッティ・ピペン(元シカゴ・ブルズ他)が履いていた?
折茂 はい、それです。あれ、サイドに「AIR」って文字が入っていましたよね!? そのようなシューズも試合で履いていました。今は復刻版も出ていますけど、その当時から僕はそういうバッシュを試合で履いていたので(笑) もう20年以上前のシューズなので、ちょっとエアが劣化していたりもしますが、いまだに持っています。

――なんと、現在もお持ちなのですね!
折茂 はい、全部持っています。

――折茂選手がNIKEを履き始めた23年前というと、1990年代なかばで、NIKEがちょうどハイテクブームで盛り上がっていた時期でした。当時履いていたNIKEのモデル、他には何がありますか?
折茂 他にはペニー・ハーダウェイ(元オーランド・マジック他)のシューズを履いていたんですよ。

――そうなると、『AIR FOAMPOSITE ONE』なども、でしょうか。
折茂 それも履いていました。そういうモデルが出ていた時代ですから、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックス他)のシューズも【注3】。そういうシューズをよく履いていましたね。今だと復刻版も出て、アウトドアシューズとされているものを、僕らはちゃんと試合で履いていました(笑)。
【注3:キッド着用モデルでは、『AIR ZOOM FLIGHT 95』や『AIR ZOOM FLIGHT 5』といった有名モデルがある】

折茂がプレーを参考にしたというレジ―・ミラー(写真右)。マイケル・ジョーダン(写真左)は参考にならなかったとか[写真]=Getty Images

――ところで折茂選手が、NBAプレーヤーで憧れたり、参考にしたりしたプレーヤーはいらっしゃいましたか?
折茂 NBAはあまり詳しくはないのですが、唯一、「ああこの選手は」と参考にした選手というのは、レジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)ですね。

――ああ、なるほど! 同じシューターとして、ですね?
折茂 そうです。レジー・ミラーは、本当に(体格的に)細くて、でもスクリーンを使うのがピカイチなので、その動きをずっと観ていました。

――止まったところから、スクリーンの位置を見て、相手を見て。
折茂  どうやってスクリーンにかけるのかとか、どうやってノーマークになってシュートを決めているのかなどを参考にしました。当時はマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズ他)もすごかったのですけど、ジョーダンを観ても、「すげぇな」と思うだけで参考にならなかったんですよ(笑) ですから、レジー・ミラーをじっくり観ていました。

自分に合うバッシュに巡り会えたから、まだ現役でプレーできている

――現在、プレー用とプライベート用を含めて、バッシュは何足ほど所持していらっしゃいますか?
折茂 今はプライベート用も含めれば、多分300足ぐらいあると思います。昔は保管用の倉庫にもあって。何しろシューズだらけだった気がします(笑) 今も、部屋一つがシューズでつぶれていますね。

――「あのモデルを出そう」といって探せる状態ではない感じですか。
折茂 ええ、箱を(一つひとつ)開けて見つけるしかないです(笑) NIKEと契約してからはアウトドアシューズもゲームシューズも、全部NIKEです。昔と違ってNIKEもすごく進化して、アウトドアシューズもデザイン的にかっこいいものがたくさんありますし、機能性も非常にいいので。加えてAIR JORDANシリーズも集めたりしています。

――まだまだ増えていきそうな感じですね。
折茂 そうですね。NIKEに関しては、僕ほど長く契約してもらっている選手ってそういないと思うんですよ(笑) 皆が履いていない時代からずっと履き続けてきて、やはりNIKEはいいシューズだと思います。シェアも今のところNIKEが一番ですし、それだけの機能性を持っていますから。これだけ長くサポートしていただいていることもすごく感謝しているのですけど、そのサポートを活かしきれていない部分もあるので、こういった機会にNIKEの良さを伝えられたらなと思っています。

NIKEのシューズを履いて、長年プレーを続けている(写真は2007年、徳島で行われたアジア選手権)[写真]=Getty Images

――学生やこれからバスケを始めようとする人が、バッシュはどういったものを選んだらいいのかと迷うことがあるかと思います。折茂選手ならそういった皆さんに、バッシュ選びでどういったアドバイスを送られますか?
折茂 絶対に、自分に合ったシューズを探した方がいいと思います。どのシューズでも色々な機能があって、履いてみた感触や、プレーした感触はそれぞれ違うので。僕もケガで悩んで、シューズを替えて、それからケガもなくなりましたから。こんなに長くプレーできているのも、ある意味シューズのおかげだと思うんですよね。もしシューズが合っていなかったらもっとケガをして、すでに現役生活が終わっていたかもしれません。しかし、いいシューズに巡り会えたおかげで、まだプレーできている。当然デザインなどが良いモデルを履きたくはなりますけど、そこはやはり、シューズはしっかりとしたパフォーマンスを出すためのファクターだと思います。

――足型等も含めて、試着をしっかりして、自分の足やプレーに合ったものを、ということですね。
折茂 はい、そうです。どうしてもデザインで選びがちになると思います。もちろんそこも重要かもしれませんが、履いた感触というのは見た目とはまた全く違うので、固さだったり、クッション性だったり、みんな違います。それを考慮して見つけてもらえれば良いと思います。

――それでは最後の質問です。折茂選手にとって、バッシュというのはどんな存在ですか。
折茂 本当にプレーをする上で一番大切なパートナーだと思います。バスケットボールでプレーする際身につけるのは、ユニフォームとシューズしかありません。それだけ重要なものですし、僕にとっては本当に圧倒的な存在であり、かけがえのないものなのです。

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