2018.06.10
5月19日、船橋アリーナでホームの千葉ジェッツが琉球ゴールデンキングスとの「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」セミファイナルの第1戦に臨んだ。試合は30-22とリードして折り返したものの、リーグ屈指の攻撃力を誇る千葉にとっては決して自分たちのペースとは言えない内容で前半を終えた。それでも、第3クォーターに入ると開始から得意の速い展開に持ちこみ、一挙29得点を挙げて突き放し、74-61で勝利を収めた。
その勝負の分かれ目となった後半の立ちあがり、チームに勢いをもたらしたのはマイケル・パーカーだった。リバウンドやスティールを狙う際、ベテランらしくこれまでの経験に沿ってプレーを予測する36歳は、開始1分50秒に田代直希からマークマンのアイラ・ブラウンへのパスをカット。惜しくもこのボールはラインを割ったが、試合後に富樫勇樹が「マイク(パーカー)のスティールでリズムが取れた」と話したとおり“きっかけ”を作る好プレーであった。直後の同2分18秒にはアキ・チェンバースがスティールを奪ってパーカーがファストブレイクポイントを記録。最大の見せ場は残り3分28秒から。富樫のアシストから得点を挙げると、次のディフェンスで再びブラウンへのパスをタイミングよくカットして速攻を展開。そのまま先頭を走って豪快なダンクシュートをたたきこみ、5027名の観衆を沸かせた。
「前半はゲーム自体がスローになってしまって向こうのペースだったので、速い展開に持っていこうと意識して次(後半)に向かいました。それが上手くいったので、いい判断だった」と試合後に振り返ったパーカーは、そのままリズムに乗り最終クォーターでも9得点に加え、4つのオフェンスリバウンドを拾ってチームをけん引。試合をとおして計22得点10リバウンドの“ダブルダブル”をマークし勝利に大きく貢献。相手指揮官の佐々宜央ヘッドコーチでさえも「元々スティールが上手い選手。プレーオフモードになって、いつもよりもうひと伸び(手が)出てきた。ギャビン(エドワーズ)の得点が多いですけど(計26得点)、ギャビンよりかはパーカーにやられました」と、今季スティール王を獲得したパーカーの活躍を称えた。
レギュラーシーズン同様、第3クォーターで一気に主導権を握り優勝まであと2勝に迫った千葉。昨年のファイナルで栃木ブレックスのジェフ・ギブスが活躍したように、リーグ制覇を成し遂げるにはエースだけでなくチームを支えるベテラン選手の存在も必要不可欠になることは間違いない。
文=小沼克年
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