2018.09.08

攻守の展開が目まぐるしく変わる中、勝利を収めたのは茨城ロボッツ

アーリーカップ初戦で快勝を収めた茨城[写真]=B.LEAGUE
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 負けたら終わりの真剣勝負のトーナメント、全国6会場で同時開催の「B.LEAGUE EARLY CUP 2018」。9月7日、豊橋市総合体育館では「B.LEAGUE EARLY CUP 2018 TOKAI」が開幕し、この日はB2の3チームとB1の1チームが登場した。

 第1試合で行われたFイーグルス名古屋と茨城ロボッツの一戦は攻守の展開が非常に早く、コート上から一瞬でも離すと攻守が入れ替わっているという壮絶な内容となったのであった。その中でも終始、茨城がゲームのペースを握っていく。第1クォーターで2ケタリードを広げると、相手に一度も追いつかれず、そのままゲームは終了。90-76のスコアで快勝し、シーホース三河への挑戦権を獲得した。

 勝利を収めた茨城の岩下桂太ヘッドコーチは「全体的に自分たちが目指しているバスケットができたゲームだった。今までのプレシーズンゲームで出てきた課題をこのゲームではしっかりと克服した。しっかりとしたボールムーブメントから3ポイントシュートを多く決め、リズムのいいオフェンスができたことは評価できる。今日のファストブレイクポイントも考えると、今シーズン目指しているスピーディーなバスケットができた。ただし、ペイントエリアでの得点の少なさや悪いターンオーバーがあったので、明日はその部分を修正していきたい」と満足感のある表情でゲームを振り返った。

試合後、笑みを見せる岩下HC(左)[写真]=B.LEAGUE

 古巣との戦いで15得点と活躍した福澤晃平は「相手の3ポイントを要所で決められて突き放せられなかったゲームだったけど、それ以外は結構できていたという評価をミーティングで話してもらったので、ゲームをとおして考えると良かった。昨日や今朝もなんだか気持ちがソワソワしていて、古巣と戦うはこういう気持ちになるんだなと実感した。その中でゲームが始まったら対戦相手なので倒してやろうという気持ちになった。準決勝では普段は格上のB1のチームと戦うことは無いので自分たちのバスケをしっかりと表現して、絶対に勝つという気持ちを持って、絶対に決勝に行けるようにプレーしたいと思う」と力強く言葉を残してくれた。

福澤は今季公式戦の初戦で古巣と対戦[写真]=B.LEAGUE

 一方の敗戦を喫したFE名古屋の渡邊竜二HCは、ゲームを振り返って「我々がやりたかった事を茨城にやられてしまった印象を持っている。走ってインサイドを突くバスケットをしたかったが、相手にそれをされてしまって、自分たちが翻弄されてしまった。まだ全体でそろって練習したのが浅い中で、練習試合などは行ってきたが、このアーリーカップは相手の戦力を見られたり、自分たちの課題も明確になるいい機会と感じている。明日は切り替えて自分たちがやりたい事をやりきる所にフォーカスしたい。」と前向きなコメントで締めくくった。

FE名古屋は第1クォーターのビハインドが悔やまれる結果に[写真]=B.LEAGUE

 コート上を縦横無人に走っていた、166センチの小柄な司令塔である兒玉貴通は「相手に自分たちがやりたい事をやられた。攻守ともにやってダメではなく、やりきれなかったという所が悔やまれる部分でもったいなかった。それでも公式戦が初めてで強い相手に色々と試す事も初めて。その中で得るものも非常に多くあった。できた事、できなかった事が明確に見えた収穫のあるゲームだった。今シーズンはスコアが獲れる選手が抜けて痛い部分はあるけど、その部分を補うために色々な事をやろうとしている。今までとは違う形で戦える部分はあるけど、現段階ではレベルがまだまだ低いので、早くレベルを引きあげたい。まずはもう1試合あるのでしっかりと勝ちにいって、自分たちのやりたいバスケを追求していきたい。ゲーム後のチームの雰囲気は悪くないし、落ち込みすぎていないので、いい意味で切り替えてゲームに臨みたい。シーズンを戦う上で無駄にはしたく無いです。」と既に次のゲームへ切り替えている様子だった。

文=鳴神富一

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