2019.07.01
4月10日にアリーナ立川立飛で行われたB1リーグ第34節。アルバルク東京は最終スコア81-73で勝利し、今季におけるサンロッカーズ渋谷との対戦成績を6戦全勝とした。
残り4試合のレギュラーシーズンが終われば、いよいよ3代目Bリーグ王者の称号を懸けた「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」がスタートする。昨季チャンピオンのA東京は、現在東地区3位ながら第29節時点でチャンピオンシップ出場が決定し連覇への挑戦権を手にしている。優勝メンバーがほぼ残留した今シーズンはここまで42勝14敗と、千葉ジェッツ、栃木ブレックスに次ぐ18クラブ中3位の成績。昨年、東地区2位から優勝へ駆けがあったプロセスを考えれば、まずまずの結果と言える。
だが、A東京は2連覇を目指すうえで不安要素を抱えているのも事実。それは、昨シーズンからオールラウンドなプレーでチームにいくつもの勝利をもたらしてきたジャワッド・ウィリアムズの離脱だ。同選手は3月23日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で右足アキレス腱断裂の大ケガを負い、全治未定と診断。シーズン中の復帰が極めて難しくなった。
そこで、連覇へのキーマンの1人となるのがウィリアムズとローテーションするような形で起用されていたミルコ・ビエリツァだろう。ウィリアムズ離脱後はシーズン序盤と違って連続出場が続いており、「疲労はもちろんあるが、『やるしかない』という気持ちでプレーしている」というパワーフォワードは、10日の試合ではチームトップとなる20得点の活躍。コートに立てば積極的にリングへアタックし、現在1試合平均13.5得点をマークしている。ビエリツァは今シーズンからA東京に加わり、日本のクラブでプレーするのも初。チーム内ではシェーファーアヴィ幸樹とともに昨季の優勝、CSを経験していない数少ないメンバーだ。
これまでヨーロッパで多くの経験を積み、現役のモンテネグロ代表にも名を連ねるビエリツァだが、自身初となる日本での、Bリーグでのチャンピオンシップへ向け不安はあるかと問うと、「チームメートに昨年の話を聞いたり、写真などもいろいろ見ているよ。たしかにこのチームでは初めてだけど、他のチームにいた時はプレーオフを経験しているので特に問題はない」と答えた。
「アルバルクは一人ひとりのクオリティも高いし、チーム力もある非常にいいチーム。残り試合も勝利に貢献して、ファイナルの時にベストコンディションに持っていけるようにしたい」と青写真を描く34歳は、「そのためにはもっとアグレッシブにいく必要があるので、今までよりもアクセルを踏むように意識している」と来たるポストシーズンへ向け静かにギアを上げている。
文=小沼克年
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