2020.02.05

ミクシィの新スポーツギフティングサービス『Unlim』に千葉ジェッツが参加!

左からミクシィ・木村社長、千葉の島田代表取締役会長、村田諒太選手、里崎智也氏 [写真]=mixi
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 株式会社ミクシィと一般財団法人アスリートフラッグ財団は、プロスポーツクラブやアスリートを新しい形で支援するスポーツギフティングサービス『Unlim(アンリム)』を19日からスタートすることを発表した。バスケ界からは千葉ジェッツが同サービスに登録する予定となっている。

Unlim』は、好きなスポーツクラブやアスリートにファン個人が寄付を行うことができるサービス。スポーツ界では、アスリートが「競技を続けたい」「レベルアップしたい」という思いがあっても資金面で断念せざるを得なかったり、引退後のセカンドキャリアに大きな不安を持っていたりするケースが多く散見される。アスリートにはそんな不安を取り除き競技に集中してもらうこと、ファンには観戦だけではない新しい応援の形を提供することを目的としている。

ミクシィ社長が語る『Unlim』への想い

Unlim』立ち上げの経緯と想いを語った木村弘毅氏 [写真]=mixi


 19日のサービス開始に先駆け、5日には株式会社ミクシィと一般財団法人アスリートフラッグ財団による発表記者会見が開催された。会見には株式会社ミクシィ代表取締役社長の木村弘毅氏、一般財団法人アスリートフラッグ財団の理事に就任した、千葉ジェッツの代表取締役会長である島田慎二氏に加え、元プロ野球・千葉ロッテマリーンズの里崎智也氏、プロボクサーの村田諒太が登壇。木村氏は『Unlim』立ち上げの経緯について以下のように語った。

「私はスポーツほど多くの人を元気にできるものはないと考えています。昨年のラグビーワールドカップを見て、それを再認識しました。しかし、スポーツの現場ではスポーツクラブやアスリートの活動資金が大きな問題となっています。クラブの財政は遠征費や運営費で常に圧迫されています。また、アスリートはプロを目指して努力していても、経済的な理由で断念せざるを得ないというケースが見受けられます。『Unlim』とその運営団体の一般財団法人アスリートフラッグ財団は、そんな状況を少しでも改善したいという思いで立ち上げました」

スポーツのプロが感じる“資金的課題”

登壇したプロスポーツ関係者が、それぞれが感じてきた資金面の課題を語った[写真]=mixi

 会見は、登壇したプロスポーツ関係者それぞれが感じる現場での資金的課題の話題に。bjリーグ時代から昨年8月まで、社長として千葉をけん引してきた島田代表取締役会長は、クラブチーム運営の厳しい実情を明かした。

「クラブチームは、主にスポンサー収入、チケット売上、ファンクラブ会費、グッズ売上などが収入源となりますが、それだけでは立ちいかないのが実情です。これからのクラブ運営は、全く新しい方法でマネタイズしてくことが必須。その意味で、この『Unlim』は素晴らしい取り組みだと感じています。競技成績が振るわないクラブ、なかなか日の目を見ない選手たちのためにも、『Unlim』が軌道に乗ることを切に願っています」

 また、木村社長の「アスリートだけでなく、スタッフや職員の給与水準を上げることも重要なのでは」という言葉に対しては、「間違いないです」と同意を示し、その理由を以下のように語った。

「補強にお金が回って、スタッフにお金が回らないと、ビジネスとして発展する素地が生まれない。もちろん、選手を獲得してチームを魅力的にすることが球団としてやるべきことですが、結局、スタッフに投資していかないと良い選手を獲得できるだけの経営力がつきません。長い目で見ると経営体質を強化することがチーム強化につながると思います」

ボクシング界での経験を語る村田諒太選手 [写真]=mixi

 プロボクサーの村田諒太も以下のように語り、プロアスリートの新たな収益構造構築の必要性を訴えた。

「これまでボクシングをやってきて、『自分より才能があるな』と感じたボクサーはたくさんいます。そんなボクサーも、チャンピオンにはなかなかなれない。なぜかというと、資金的な問題でボクシング自体を続けられないのです。1試合でもらえるファイトマネーは5~10万円程度で、1年間で実施できる試合は数試合です。才能のあるボクサーが、ボクシングを続けられるような仕組み作りが必要です」

 さらに、里崎智也氏は昨今のプロ野球界の情勢を引き合いに、ファンの応援の在り方にも変化が必要であると主張。その試金石として『Unlim』に期待を寄せた。

「プロ野球では近年、資金力のある球団とそうでない球団の力の差が順位に如実に影響しています。ファンの応援がこの差を埋めるのは現状ではほぼ不可能です。スタジアムに行く、グッズを買うだけでなく、もっと直接的な支援ができるシステムがあれば、球団間の競争も熾烈になるはずです。それに、最近は球団数の増加を求める声がファンからよく聞かれます。しかし、これからはファンも意見を言うだけではなく、その実現のために実際に行動を起こしていくべきです。球団を増やすにも資金は必要。『Unlim』の仕組みを使えば、それも可能になるかもしれませんね」

アスリート・クラブへの応援方法

[写真]=mixi


 ファンは、『Unlim』公式サイト上でひいきのアスリートまたはクラブチームを選び、「ギフティングする」「シェアをして仲間を集める」の2つの方法で応援することができる。「ギフティング」を選ぶと、金額を自由に設定してアスリートフラッグ財団へ寄付し、アスリートフラッグ財団から付与された応援ポイントをアスリート・クラブチームに贈ることができる。寄付した金額の67~83%がアスリート・クラブチームに配分される。「シェアをして仲間を集める」を選ぶと、個人のSNSアカウントでシェアすることができ、自分がシェアした先で何回ギフティングが行われたかを把握することができる。

 さらに、『Unlim』はさまざまなスポーツ系ウェブメディアとの協業を予定。各協業メディア内の『Unlim』登録のアスリート・クラブチームに関連する記事に設置された「Unlimボタン」をタップすることでも応援が可能となる。なお、協業メディアのラインアップは後日『Unlim』公式サイトで発表される。

登録予定アスリート・クラブチーム

※50音順 ※2月5日時点
【アスリート】
・太田宏介(名古屋グランパス)
・西藤俊哉(フェンシングフルーレ)
・髙梨沙羅(女子スキージャンプ)
・寺地拳四朗(プロボクサー)
・中村未優(女子レスリング)
・畠山健介(MLR・ニューイングランド・フリージャックス)
・星翔太(Fリーグ・名古屋オーシャンズ)
・堀米雄斗(スケートボード選手)
・三宅諒(フェンシングフルーレ)
・森重真人(FC東京)

【クラブチーム】
・FC東京(Jリーグ)
千葉ジェッツBリーグ
・栃木ゴールデンブレーブス(プロ野球独立リーグ)
・ひがし北海道クレインズ(アジアリーグアイスホッケー)
・ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(スーパーラグビー)

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