2020.04.30
ユーザーが対象ショットの中からナンバーワンタフショット『MONTHLY BEST of TOUGH SHOT』を決める、バスケットボールキングとカシオ計算機株式会社による共同企画。第4回目(第16節~第20節対象)はジェームズ・サザランド(横浜ビー・コルセアーズ)が最多票を獲得した。
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そこで今回サザランドに受賞記念品のG-SHOCK『DW-6900SP-7JR』を贈呈し、ビッグショットについて話してもらった。また、元日本代表の渡邉拓馬氏が、どのようにしてこのシュートが生まれたのか、相手やチームメートとどのような駆け引きがあったのかなどを解説してくれた。
――ファン投票によって1月の『MONTHLY BEST of TOUGH SHOT』に選出されました。受賞の感想をお願いします。
サザランド 選ばれてとても光栄に思います。このショットを決めた川崎ブレイブサンダース戦の時期は、チームがスランプに陥ってしまい、勝てない状況が続いていました。その中で勝利が生み出す1発になったこともそうですし、なによりチームとして初めて川崎から白星を得るショットになったので、とてもうれしいです。
――84-84と同点の中、試合終了間際にチームに勝利をもたらすブザービーターを決めました。セットプレーから始まった一連のプレーですが、チームとしてはどのような狙いがあったのでしょうか?
サザランド 残り時間が本当に少ない状況でしたので、自分がボールを受けて1対1を狙うのがファーストオプションでした。ボールを受けた際に、相手がダブルチームでディフェンスしてくるようだったら、空いている選手にパスを出す予定でしたが、誰も来なかったので自分でシュートまで行きました。
――サザランド選手自身はラストプレーに臨むにあたってどのような心境でしたか?
サザランド スコアすることしか考えていませんでした。オーバータイムまでもつれ込むと、勝ちきれないということが何度かあったので。絶対に決めきろうと思って最後のプレーに臨みましたね。
――1対1を仕掛け、ヘルプに来た相手選手を見事なダブルクラッチでかわしました。
サザランド 最初は左手のレイアップを狙っていたんですけど、ジョーダン・ヒース選手がブロックに飛ぶのが見えたので一度フェイクを入れて、ああいうシュートになりました。実はシュートを打った時は、自分では入ったかどうかわからなかったんです。打った瞬間にタイムアップのブザーが光ったのは見えたんですけど(笑)。でもチームメートがすごく喜んでいたので、ああ入ったんだなと。
――決まった瞬間に会場は大歓声に包まれ、サザランド選手もチームメートとかなり盛り上がっているように見えました。
サザランド 素晴らしい瞬間でした。あのショットは、チームで決めたブザービーターだったのかなと思います。チームのみんなが頑張ってくれたからこそ、最後にああいうプレーが生まれたので。
――横浜にとって神奈川ダービー初勝利をもたらすショットでもありました。クラブの歴史に残るショットを決められたことについてはどう思いますか?
サザランド とても誇らしく思います。リーグの中でもトップのチームに勝てたことは自信になります。これから強いチームと戦っていく中で、最後の数分や数ポゼッションがカギとなっていくと思うので、ああいう勝ち方ができたことは今後の自分たちにとっても良かったです。
――贈呈されたG-SHOCKの印象を聞かせてください。
サザランド 自分はG-SHOCKが大好きなので、とても気に入っています! 大学生の時、周りの友達はみんなG-SHOCKを着けていましたし、自分も2本持っていました。機能性や耐久性に優れているところも気に入っているポイントです。
――このG-SHOCKはどのようなシーンで着用したいですか?
サザランド 毎日着けたいですね。とても軽いですし、耐水性もあると思うので、プールに行く時などにも着用したいと思います。
――横浜には今シーズン途中からの加入ですが、ここまでの自身のプレーをどのように捉えていますか?
サザランド 自分自身のプレーとしてはまあまあかなと。ただ、チームとして戦っているので、個人のスタッツはあまり気にしていません。たとえ一人がいいパフォーマンスをしても、チームが負けてしまったら誰の記憶にも残らないので。自分が30点や40点を挙げられなかったとしても、チームが勝つことができればうれしいんです。とにかくチームが勝つために、自分ができることに全力で取り組みたいと思います。
――では最後に、後半戦に向けての意気込みをお願いします。
サザランド 勝利の数は多ければ多いほどいいので、とにかくできるだけ多くの試合に勝ちたいです。個人としては、特にオフェンスの面でチームに貢献したいと思います。
まず素晴らしかったのは、このショットの前に見せた横浜のディフェンスです。一度ポイントガードの生原秀将選手を下げて、全体的にビッグラインナップにしたのが功を奏し、のちの逆転につながるスティールが生まれました。まずはそこが一つ。
そして得点が決まったセットプレーですが、コートに戻った生原選手はボールをサザランド選手に預けて、1on1を狙わせます。周りの選手も彼が1on1を仕掛けられるようにしっかりと真ん中のスペースを空けているので、これは間違いなくチームとして狙っていた形です。サザランド選手にボールを預け、ディフェンスのヘルプが来たらアキ・チェンバース選手や橋本尚明選手が外から狙う、そんな狙いがあったのではないでしょうか。
結局、サザランド選手は1on1から一人で決めきりましたが、このショットは非常に難易度が高いものだったと思います。ニック・ファジーカス選手を抜いて、大きなステップからジャンプ。シュートした後にゴール裏に行っちゃうくらい体が流れている中、空中でヒース選手のブロックもかわしています。難しいですよ、これは。サザランド選手はシュートがうまくて、サイズもあって、非常にいい選手ですね。性格もよさそうですし、日本に合っていると思います。
川崎のヒース選手のヘルプが少し遅れたのは、彼がマークしていた横浜のレジナルド・ベクトン選手のポジショニングが良かったからですね。もしちょっとでも高い位置にいたら、ヒース選手がもっと早くヘルプに来て、サザランド選手はシュートまで行けなかったかもしれない。ベクトン選手がベースラインすれすれにいたことも、このショットが生まれた大きな要因だったと思います。
この試合では福田将吾アシスタントコーチが横浜の指揮を執っていますが、彼はのちにヘッドコーチに就任しています。横浜はHC交代劇の渦中でこの試合を迎えていて、そんなタイミングだったからこそ、チームにこれまで以上のエナジーが生まれていたのかもしれません。加えて、リーグ11連敗や神奈川ダービーという要素も重なっていたので、勝った瞬間の会場の雰囲気にはすごく一体感がありました。それこそ、チャンピオンシップのような盛り上がりでしたね。
ダービーマッチは選手もファンもクラブ関係者も、関わる人みんなが気にする試合です。現在中地区5位の横浜ですが、この試合からも分かる通り力はあるチームなので、これからが非常に楽しみですね。個人的には、互いに上位同士で迎える神奈川ダービーをぜひ見たいと思います。
インタビュー・文=峯嵜俊太郎
写真=Bリーグ
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