2020.11.21
リーグ再開を待ちわびるファン・ブースターのために、B1リーグ18クラブの現状をチェックする企画がスタート! “Bリーグ・ロス”の皆さんがお気に入りのクラブの現状を把握して、今後の展望をイメージしてもらえれば幸甚だ。第2回は横浜ビー・コルセアーズ。コートの内外で話題を提供した横浜だが、再開以降は大事な試合が目白押し!!
文=吉川哲彦
3勝3敗で迎えた平日開催の第5節を再延長の末に制し、Bリーグで初めて白星が先行した時は「今季は一味違う」と思ったブースターも多かっただろう。ロスターの大胆な変更で捲土重来を期した横浜ビー・コルセアーズは、一時は中地区2位に立つこともあった。しかし、シーズンの約3分の2を消化した現在は10勝29敗。3シーズン全て出場している残留プレーオフの圏内に、今季も鎮座してしまっている。
ジェイソン・ウォッシュバーンのコンディション不良という不運もあったとはいえ、例年同様にシーズン途中の外国籍選手入れ替えが発生。代わって入ったジェームズ・サザランドは得点を量産したものの、チームの結果にはなかなか結びつかず、12月から1月にかけて11連敗もあった。そして、1月15日からはトーマス・ウィスマンヘッドコーチが欠場することとなる。
代行で指揮を執った福田将吾アシスタントコーチは、川崎ブレイブサンダースとの“神奈川ダービー”で20試合目にして初勝利。敗れた4試合もすべて6点差以内だった。結局2月に入ってHC交代が発表され、正式に福田政権が誕生。いずれも勝率6割を超える大阪エヴェッサとサンロッカーズ渋谷から1つずつ白星を奪い、ようやく10勝に到達している。
選手個々の働きを見ると、ポジティブな要素は少なくない。アキ・チェンバースは攻守両面でチームを引っ張り、生原秀将も高いポテンシャルを披露。外国籍選手の中で唯一開幕から残っているレジナルド・ベクトンもインサイドの軸として得点とリバウンドを量産するなど、新加入選手は軒並み期待に応えている。また、特別指定選手の赤穂雷太は大学3年生ながら主力としてコートに立ち、大阪戦では勝利を決定づける大仕事をやってのけた。そして、新たにリーダーとしての役割を与えられた田渡凌が、持ち味のアグレッシブなプレーでチームを鼓舞するだけでなく、テレビ出演や社会貢献活動も精力的にこなし、コート内外で存在感を発揮していることも忘れてはならない。
タイムシェアを意識する福田HCの方針により、ここからは控え選手の活躍が大きな意味を持つ。中でも、開幕当初に3ポイントを連発した秋山皓太の復調には期待したい。幸いにも残留PO圏外との差はさほど大きくなく、当然ながら4シーズン目で初の回避を目指さなければならない。まだ5試合残っている富山グラウジーズ戦と、4試合残っているシーホース三河戦の戦いぶりが特に重要となるだろう。
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