2020.05.08
開幕4年目を迎える2019-20シーズンのBリーグにおいて、大きなトピックの一つが特別指定選手の活躍だ。6試合連続で2ケタ得点を記録した三遠ネオフェニックスの河村勇輝(福岡第一高校)や、首位争いを演じるチームで出場機会をつかんでいる大阪エヴェッサの中村浩陸(大東文化大学)、琉球ゴールデンキングスの牧隼利(筑波大学)など、名前を挙げればきりがない。
実際のところ、彼らはどれほど活躍しているのか。本稿執筆時点(3月3日)でBリーグに登録されている特別指定選手のスタッツをまとめ、比較し、せっかくなのでランキング形式で紹介する。
なお、平均スタッツのランキングは、そのカテゴリーにおける特別指定選手の平均出場試合数を上回る選手(B1は6試合以上出場した選手)のみを対象とする。出場試合数の少なさから、確立が収束していないことも多々あると思われるが、あくまでも参考までにこのランキングを楽しんでほしい。
■出場試合数
1位:19試合
中村浩陸(大東文化大学/大阪エヴェッサ)
2位:16試合
盛實海翔(専修大学/サンロッカーズ渋谷)
牧隼利(筑波大学/琉球ゴールデンキングス)
4位:14試合
西田優大(東海大学/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
5位:13試合
増田啓介(筑波大学/川崎ブレイブサンダース)
1位に輝いたのは、大阪で19試合に出場している中村。ポイントガード陣に負傷者が続出しているチーム状況も相まって、昨年12月21日以来のリーグ戦全試合に出場している。平均プレータイムも20分を越え、今や主力としてチームをけん引する存在だ。
■得点(1試合平均)
1位:13.22
河村勇輝(福岡第一高校/三遠ネオフェニックス)
2位:6.74
中村浩陸(大東文化大学/大阪エヴェッサ)
3位:6.27
テーブス海(ノースカロライナ大ウィルミントン校/宇都宮ブレックス)
4位:5.69
盛實海翔(専修大学/サンロッカーズ渋谷)
5位:5.29
赤穂雷太(青山学院大学/横浜ビー・コルセアーズ)
平均得点では河村が圧倒的な数値でトップとなった。デビュー2戦目の千葉ジェッツ戦で21得点、3戦目の新潟アルビレックスBB戦で28得点と、加入早々から抜群の存在感を発揮し、現役高校生ながら日本バスケ界の話題をさらう活躍ぶりを見せた。
■リバウンド(1試合平均)
1位:2.0
河村勇輝(福岡第一高校/三遠ネオフェニックス)
2位:1.93
牧隼利(筑波大学/琉球ゴールデンキングス)
3位:1.57
西田優大(東海大学/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
4位:1.5
小酒部泰暉(神奈川大学/アルバルク東京)
5位:1.13
盛實海翔(専修大学/サンロッカーズ渋谷)
リーグ全体の傾向として主に外国籍選手が制空権を握っていることもあり、リバウンドについては低めの数字が並ぶこととなった。僅差でトップに立った河村は、2月1日の宇都宮ブレックス戦では6リバウンドをマーク。172センチと小柄ながら、積極的にボール確保に飛び込む姿勢が目立った。
■アシスト(1試合平均)
1位:2.89
中村浩陸(大東文化大学/大阪エヴェッサ)
2位:2.88
河村勇輝(福岡第一高校/三遠ネオフェニックス)
3位:2.0
テーブス海(ノースカロライナ大ウィルミントン校/宇都宮ブレックス)
4位:1.93
盛實海翔(専修大学/サンロッカーズ渋谷)
5位:0.82
多田武史(拓殖大学/秋田ノーザンハピネッツ)
アシスト部門では、大学リーグのアシストランキングでも上位につける中村が1位となった。通算55アシストという数字も特別指定選手の中ではトップ。昨年12月25日に行われた京都ハンナリーズ戦では、デビュー3戦目ながら8アシストを記録した。
■ブロック(1試合平均)
1位:0.43
赤穂雷太(青山学院大学/横浜ビー・コルセアーズ)
2位:0.19
牧隼利(筑波大学/琉球ゴールデンキングス)
3位:0.13
盛實海翔(専修大学/サンロッカーズ渋谷)
4位:0.13
大庭岳輝(京都産業大学/京都ハンナリーズ)
5位:0.11
今村拓夢(近畿大学/大阪エヴェッサ)
リバウンドと同じく、ブロック部門も全体的に低めの数字となった。1位となった赤穂雷太は身長196センチでポイントガードからスモールフォワードまでこなす万能型。デビュー戦で2メートルを越える外国籍選手のシュートをブロックしたほか、2月8日のアルバルク東京戦ではリーグ屈指の名手・田中大貴のシュートもブロックしている。
■スティール(1試合平均)
1位:1.44
河村勇輝(福岡第一高校/三遠ネオフェニックス)
2位:1.37
中村浩陸(大東文化大学/大阪エヴェッサ)
3位:0.69
牧隼利(筑波大学/琉球ゴールデンキングス)
4位:0.5
小酒部泰暉(神奈川大学/アルバルク東京)
5位:0.44
盛實海翔(専修大学/サンロッカーズ渋谷)
アシスト部門に続き、スティール部門でも河村と中村が1位を争う形となった。河村は1月29日の新潟戦で4スティールをマークしたほか、3スティールを2度記録。中村は昨年12月22日に行われたSR渋谷戦、自身にとってはデビュー2戦目となった試合で5スティールを叩き出している。
■3ポイント成功率(※3ポイント成功数がB1特別指定選手の平均「3.6」以上の選手が対象)
1位:38.8%(19/49)
河村勇輝(福岡第一高校/三遠ネオフェニックス)
2位:37.8%(14/37)
多田武史(拓殖大学/秋田ノーザンハピネッツ)
3位:36.8%(7/19)
テーブス海(ノースカロライナ大ウィルミントン校/宇都宮ブレックス)
4位:32.1%(17/53)
盛實海翔(専修大学/サンロッカーズ渋谷)
5位:32.1%(9/28)
牧隼利(筑波大学/琉球ゴールデンキングス)
1位は49本中19本を決めた河村。バスケットカウントの3ポイントもいくつかあり、多少のファウルは物ともしないバランス感覚が際立つ。2位には大学屈指のシューターである多田がランクイン。2月12日の横浜ビー・コルセアーズ戦で挙げた12点は、すべて3ポイントによるものだった。
――――――――
いかがだったろうか。繰り返しになるが、試行回数の少なさから確率が収束していない選手がほとんどなので、今回紹介した数字はあくまで参考程度。数字に残らない貢献をしている選手も多数いるので、ランキングに載らない選手が活躍していないわけでもない。
現在Bリーグはコロナウィルス流行の影響により中断を余儀なくされているが、今のところ残りのリーグ戦やポストシーズンの試合は開催される予定。そこで若き特別指定の選手たちがどのような活躍をするのか、現状からどれだけ数字を伸ばすのか、今から楽しみだ。
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