2020.05.18
リーグ再開を待ちわびるファン・ブースターのために、B1リーグ18クラブの現状をチェックする企画がスタート! “Bリーグ・ロス”の皆さんがお気に入りのクラブの現状を把握して、今後の展望をイメージしてもらえれば幸甚だ。第4回は新潟アルビレックスBB。昨季の中地区チャンピオンの今を確認する。
文=吉川哲彦
ここまでの39試合の結果を振り返ると、開幕から昨季チャンピオンシップで戦ったアルバルク東京、地区優勝を争った川崎ブレイブサンダースに相次いで敗れ、過去3シーズンで2度しか負けていない横浜ビー・コルセアーズに3連敗。三遠ネオフェニックスの4勝のうちの1つも新潟が献上したもので、21試合目となるその時点で早くも昨季と同じ15敗に到達。第23節のA東京との再戦では1戦目が41得点に終わり、20年に及ぶクラブの最少得点記録を塗り替えてしまった。
その原因は、3シーズンにわたってチームの大黒柱だったダバンテ・ガードナーの移籍を機に、新しいスタイルの構築に取り組んだことにある。ポイントの1つであったトランジションを出せず、大きな武器であったインサイドアウトの形も崩れて得点力はダウン。昨季備わったはずの連係や忍耐力も失い、相手に勢いを与えて大差をつけられることも多くなった。現状ではリセットが裏目に出てしまったと言わざるを得ない。
また、フロントの動きも後手だった。昨季成功したことで今季も外国籍選手2名体制でシーズンに突入し、大卒1年目のニック・パーキンズに重荷を背負わせてしまった。ラモント・ハミルトンの故障がなければエグゼビア・ギブソンの獲得もさらに遅れた可能性があり、現場の負担を増やしている印象は拭えない。
もちろん、大前提となるのは選手の奮起。その若さゆえにミスも多かったパーキンズは徐々に良くなり、森井健太は安定感が出てきた。五十嵐圭を筆頭に多数を占めるベテラン勢がコンディションを整え、思いがけず長くなった中断期間をプラス材料に転じたい。そして、我慢強く戦った昨季のメンタリティーさえ甦れば、視界は一気に広がっていくはずだ。
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