2020.04.18
ユーザーが対象ショットの中からナンバーワンタフショット『MONTHLY BEST of TOUGH SHOT』を決める、バスケットボールキングとカシオ計算機株式会社による共同企画。第5回目(第21節~第23節対象)は、第23節の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で河村勇輝(三遠ネオフェニックス)が決めたショットが最多票を獲得した。
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そこで今回河村に受賞記念品のG-SHOCK『DW-5610SUS-5JR』を贈呈し、ビッグショットについて話してもらった。また、元日本代表の渡邉拓馬氏が、どのようにしてこのシュートが生まれたのか、相手やチームメートとどのような駆け引きがあったのかなどを解説してくれた。
――まずは受賞に対して、率直な感想を教えてください。
河村 このように受賞させてもらって、本当にうれしいという思いが一番です。
――自陣ゴール下でボールを受けてから、一気に敵陣に切り込み、体勢を崩しながらも自ら決めてみせました。
河村 ボールを持った瞬間に、『このボールは自分で最後まで持って行ってシュートを決めきる』という気持ちだったので。本当に決めきれて良かったなと思っています。
――これまでも体勢を崩しながらのショットを何度も決めていますが、河村選手の中でそうしたショットを決めるコツなどはあるのでしょうか?
河村 やっぱりシュートを放つ時には、体勢が崩れていながらもしっかりと手を意識して、ボールがリングに向かうように投げることが大切です。体勢を崩しているように見えて、しっかりとバランス的なものは保っていると自分は思っているので。その中で決めきることが大事だと思います
――体勢を崩しながらもショットを決めるために、特定のトレーニングを取り入れていたりはしますか?
河村 こうしたショットを決めるためのトレーニングというわけではないんですけど、しっかりとした体幹を持つため、どんな状況であれシュートを決めるための体幹トレーニングであったり筋トレであったり、そういうのはしっかりとやっています。例えば筋トレをする時はバランスディスクに乗りながらとか、バランスを保ちながらトレーニングすることを意識しています。
――結果としてこのショットから試合の主導権を握り、一時10点以上の点差をつけるなど試合を優位に進めることができました。そうした「試合の流れを変えるプレー」は普段から意識していますか?
河村 やっぱり40分間出る訳ではなくて、(三遠では)控えのポイントガードである状況の方が多いので、出る時間帯でしっかりと自分がチームの勝利に貢献するということは意識しています。
――河村選手にとっては、Bリーグ初勝利となる試合でした。勝利した瞬間の心境はいかがでしたか?
河村 ファンやブースターの皆さんは、どんな状況であっても応援しに来てくださっていました。そういった方々に自分が居る中で、勝利を届けることが出来たことがうれしかったという思いが一番です。
――贈呈されたG-SHOCKの印象を聞かせてください。
河村 すごく大人っぽくてカッコいいと思います。
――これまでG-SHOCKを着用したことはありますか?
河村 ウインターカップで優勝させてもらった時にもらったので、優勝記念のG-SHOCKを2本持っています。今回もらったG-SHOCKもランニングする時などに使いたいと思います。
――特別指定選手としてプロの舞台を経験して、どのような点で手応えと課題を感じましたか?
河村 スピードを活かしたプレーや3ポイントはこれからもっともっと伸ばしていけば通用する部分だなと思っています。課題はチームを勝利に導くようなゲームコントロールの部分。技術的なものもまだまだ、フィジカル的なものも、もっともっとやっていかないといけないという課題が見つかりました。
――試合を通して成長したと感じる点はありますか?
河村 技術的なところもそうですけど、なかなか勝てない状況でどうしたら勝てるのかっていうのを1試合1試合振り返ったり。ファン・ブースターの皆さんが居てこその自分たちだと思っているので、そういう他の人たちに向けても頑張らないといけないっていうところで、すごく精神的な部分で成長することができました。
――その三遠のファン・ブースターに向けて、メッセージをお願いします。
河村 2カ月弱という短い間の中で、自分は特別指定選手としての期間を終えてしまうことになります。デビュー戦から11試合、本当にファン・ブースターの皆さんのおかげで自分も頑張れました。これから自分は居なくなりますけど、まだまだフェニックスはこれからチーム一丸となって頑張っていくと思いますので、これからもご声援やご支援のほどよろしくお願いします。
――では最後に、大学での目標、そして改めて将来どのようなプレーヤーになりたいかを教えてください。
河村 個人としては今回のBリーグで課題になった部分を克服すること。チームとしてはインカレなどで日本一になりたいという気持ちでいます。将来的には日本代表のポイントガードになって、世界と戦っていく選手になりたいです。“世界に勝つ日本”になるために一個人として頑張っていきたいと思います。
この試合までですでに河村選手個人のパフォーマンスは高く評価されていましたが、チームとしては未勝利でした。あとは勝利だけ、『チームを勝たせるのがポイントガード』と自分でも言っていたと思うので、絶対に勝ちたいという強い意思がこのアタックにつながっていると思います。“愛知ダービー”ということでお客さんもたくさん入り盛りあがっていたので、モチベーションも高かったのではないでしょうか? こうした環境で高校生が活躍できるというのが一番すごいですね。
一連のプレーについて、まず河村選手がドリブルを開始した時、目の前にいたマークマンは彼のスピードに振られて背後を取られています。これは意図的に相手の背後を突いて、ディフェンスが反応しづらい方向にドリブルをしているのでしょう。さらに抜いた後も、相手の方に体を寄せて前に出られないようにスペーシングしています。また、このスペーシングによって、向かって右にいる外国籍選手から遠い左手側からのフィニッシュを可能としているんです。このスピードの中でそうした判断力を持っている点が素晴らしいと思います。スピードのある齋藤拓実選手(滋賀レイクスターズ)や富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)もそういう感覚を持っていると思いますけど、それを特別指定の高校生で外国籍選手にあまり慣れていない彼が、この数試合でできている。そのアジャスト力も素晴らしい。
この得点をきっかけに三遠が点差を広げていくことになりますが、河村選手はそうしたきっかけ、『ここだ』というゲーム勘とタイミングを知っている選手。これはガードなら持っていなきゃいけないもので、例えば田臥勇太選手(宇都宮ブレックス)もそれを持っています。河村選手は幼いころから田臥選手を見てきたそうなので、自ずとそのスキルが身についたのかなと思います。
僕自身、河村選手がここまで活躍するとは予想はしていませんでした。どんな試合でも同じ結果を出せることはいい選手の条件だと思うので、これだけ注目が集まっている中でも、しっかりと自分のプレーに集中しているところは素晴らしいですね。今後はチームを勝たせるためのゲームコントロール力のレベルアップに期待したいです。
写真=Bリーグ
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