2024.10.22

目標は長谷川技…“新生”川崎ブレイブサンダースで先発を務める飯田遼「自分の色を出しつつ同じようなプレーを」

3ポイントとディフェンスを武器に川崎の先発を担う飯田遼 [写真]=B.LEAGUE
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 10月19日に川崎市とどろきアリーナで「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦」第3節第2戦が行われ、川崎ブレイブサンダース横浜ビー・コルセアーズと対戦。オーバータイムに突入した熱戦を88-81で制した。

 川崎は2023-24シーズン終了後、現役を退いたニック・ファジーカス氏、群馬クレインサンダーズへ移籍した藤井祐眞など6選手がチームを退団。かつてチェコ代表を率いたロネン・ギンズブルグヘッドコーチを新指揮官に招へいし、新たな船出を迎えた。

 開幕戦で秋田ノーザンハピネッツに競り勝ったあと、名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの第2節第1戦まで2試合連続で20点差以上の大敗。その後は接戦をものにできず、連敗は「4」に伸びた。横浜BCとの第2戦は第1クォーター序盤に点差を広げられる形になったものの、サッシャ・キリヤ・ジョーンズロスコ・アレンを中心に反撃。要所で篠山竜青益子拓己のディフェンスも光り、5試合ぶりの白星を手にした。

 川崎では外国籍選手を除き、開幕から唯一6試合連続で先発に名を連ねる選手がいる。在籍2シーズン目を迎えるシューティングガード兼スモールフォワードの飯田遼だ。1試合平均9分38秒だったプレータイムは第3節終了時点で同24分30秒と増加。横浜BC戦では結果を左右する終盤にもコートへ立ち、27分48秒の出場で4得点1リバウンド1アシスト1スティールを記録した。

「責任はありますね。自分が試合に出ている分、出られない選手もいますから。責任感がないプレーをしてはいけません。10分でも、20分でも、何分でも自分ができるプレーを100パーセントやらなければいけません。試合に出られないのは悔しいことです。ただ、悔しい反面、そういう気持ちを押し殺してベンチから支えてくれる仲間がいます。責任を持ってプレーすることに重きを置くわけではないですけど、自分にできることを出しきるように心掛けています」

 飯田に求められているのは「3ポイントシュートを思いきりよく狙うこと」、「ディフェンスで相手のキーマンをマークすること」、「プレッシャーの掛け方などスタンダードを試合の最初からセットすること」。3ポイントとディフェンスの両方を武器とする“3&D選手”として、あるチームメートの名前を挙げた。

自身のディフェンスについては課題も口にした [写真]=B.LEAGUE

「試合の流れを読む力、どうファウルを使うのか、どう守るのか。長谷川(技)選手を見ていると、すごく頭がいいんです。長谷川選手は『別に考えてやっていないよ』と言いますけど、その感覚は見習わなければいけないと思っています。本当に目を見張るものがあって、僕の目標です。自分の色を出しつつ、同じようなプレーをできればいいと思っています」

 その長谷川は横浜BCとの第2戦で今シーズン初の先発出場。指揮官は「昨日の展開もあったので、ベテラン選手を起用して、彼自身がファウルを使い、チームにいい流れを持ち込むきっかけを作ってくれればと思っていました」と明かし、「入りが良くなかったのは、彼の責任ではありません。自分たちの入りをどのように発展させていくのかが課題なので、いろいろなことに着手できればと思っています」とコメントした。

 チームは様変わりしたものの、川崎市とどろきアリーナには昨シーズン同様に多くのファンが駆けつけた。飯田は「(雰囲気は)やはり違いますよね。僕たちのホームですけど、横浜BCファンの方の声援も聞こえますから。横浜BCカラーのファンもいましたしね」と、“神奈川ダービー”という特別の一戦を味わったようで、「僕たちのホームということがあって、今日のような試合では特に声援や歓声がありがたいと感じました」とファンへ感謝の言葉を送った。

「まだまだ課題は山積みですが、それを勝って反省できるのはすごくいいこと」。“新生”川崎はまだまだ発展途上だ。

取材=酒井伸

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