2024.11.20
11月13日、今月末の「FIBAアジアカップ2025予選Window2」へ向けた直前合宿を行っているバスケットボール男子日本代表(FIBAランキング21位)のメディアデーが開催され、比江島慎(宇都宮ブレックス)が今Windowをもって代表活動を“一区切り”とする意向を表明した。
トム・ホーバスヘッドコーチ体制では、富樫勇樹と渡邊雄太(ともに千葉ジェッツ)がキャプテンを務めてきたが、パリ五輪後の再始動となる今回の活動へ向けて、指揮官はチーム最年長の比江島にキャプテンを託すと発表。中学以来のキャプテンだという比江島は、「(ホーバスHCに)会った瞬間にキャプテンと言われて。冗談だろうなと思ったんですけど…」と、慣れない肩書に笑みを浮かべつつ奮闘中。「富樫とか雄太みたいなキャプテンは無理かもしれないですけど、経験があるので、色々なアドバイスをできればと思いますし、キャプテンらしくというか最年長らしく、これからもプレーで見せていけるように意識していければと思います」と意気込んだ。
また、パリ五輪前から話題となっていた代表キャリアについても、胸に抱いている思いを自らの言葉で明かした。いまなお宇都宮ではチームの主力として活躍しているが、日本代表としては、「僕がこのまま続けて若手や次の世代の選手が経験を積めないより、どんどん経験させて、次の世代が僕らを超えていくほうがいいかなと考えていた」と、かねてからパリ五輪を集大成に位置づけていたと説明。パリ五輪後にはトム・ホーバスHC続投決定前に電話で会話したといい、その内容について次のように明かした。
「色々話をさせてもらって。パリオリンピックでは不完全燃焼で終わってしまった。次のWindowが宇都宮であるということで、自分の気持ちとしては次のWindowも参加したいというところをお話しました。その先のワールドカップとかオリンピックまでは考えていないということも話しつつ。それでも参加していいという許可が出たので。他にも話はしましたけど、そこを主に話しました」
「協会(JBA=日本バスケットボール協会)やトムさんと相談しなきゃいけないし、それはトップが決めることなので。僕は最後のつもりです。最後なので思い切り楽しんでというのもあれですけど。もちろん結果は出さなきゃいけないですけど、自分の悔いが残らないように、オリンピックは不完全燃焼だったので、そこを払拭できるようなプレーができればと思います」
当然、国内での規定もあることから、仮に代表に再招集された際には「都度都度相談というか…」と、言葉を選びながら復帰の可能性も否定しなかったが、今回比江島が発した言葉は事実上の引退意向表明と受け取るのが自然だろう。
本人の言葉通り、今回のアジアカップ2025予選Window2が「最後」の代表活動となるなら、今月21日に日環アリーナ栃木で行われるモンゴル代表(同108位)戦が国内での代表最終戦、同24日にアウェー開催されるグアム代表(同80位)がラストゲームとなる。
比江島は今回の2連戦に向けて、「アジアカップ予選ですけど、僕らが越えられなかったオリンピックでの1勝に向けて進んでいくと思うので、そこの第一歩に携われるのは光栄ですし、僕も何かを代表に残せたらと思います。このWindowを全力で全うしたいなと思っています」と力を込めた。
特別な思いを胸に代表活動に参加している新生ホーバスジャパン最年長の34歳。今後の代表招集の有無がどうなろうとも、そのプレーには注目だ。
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