2025.06.01

3x3とWリーグとの経験を成長へとつなげるトヨタ紡織サンシャインラビッツの伊波美空

3x3とWリーグでの経験が相乗効果となってレベルアップを続ける伊波 [写真]=田島早苗
フリーライター

 5月11日、時折強い日差しが差し込む中、買い物客などで賑わう東京の日本橋では「3x3 JAPAN TOUR U23 Pre Game 2025 in NIHONBASHI」が行われ、女子は「JPN White」が優勝した。

 JPN Whiteの伊波美空トヨタ紡織サンシャインラビッツ)、三田七南、花島百香(ともにENEOSサンフラワーズ)、田平真弥(立教大学)、西ファトゥマ七南(早稲田大学)は、5月10、11日に開催された3x3男女U23・U21日本代表 ディベロップメントキャンプの参加メンバー。このキャンプは1日目は味の素ナショナルトレーニングセンターでの練習で、2日目は3x3 JAPAN TOUR U23のプレゲームの出場となっていたため、女子はキャンプ参加の13名で3チームを編成し、大会へと挑んだ。

 JPN Whiteは、3x3 JAPAN TOUR U23プレゲームでは早稲田大学戦を1点差で退けて決勝進出すると、決勝では東京医療保健大学と対戦。5人制の女子日本代表のセレクションキャンプにも名を連ねている東京医療保健大の大脇晴のインサイドプレーに手をこまねいたシーンはあったものの、そこで悪い流れを断ち切るようなシュートを次々と沈めたのが伊波だ。伊波は、思い切りの良い2ポイントシュートや鋭いドライブからの攻撃など持ち味を発揮。勝利に大きく貢献した。

「早稲田大戦はチーム的にも試合の入りが重たくて、ツー(2ポイントシュート)は打てていたのですが、それが入らずオフェンスが停滞してしまいました。ディフェンスでも相手にリバウンドを取られたことで相手のオフェンスが続いてしまうなど、なかなかうまくいかない状況でした。でも、東京医療保健大戦は早稲田大戦で出た課題をうまく修正できたから、チームとしての動きもそうですし、自分自身も『自分がもっと取りに行く』『周りを生かせるようなプレーをしよう』という気持ちを持って思って臨むことができました。それが得点にもつながったと思うので、よかったです」

 このように大会を振り返った伊波は、周りを生かすことに関して、「コーチの伊集南さんから積極性やリーダーシップを執ってほしいと言われていたし、(チームの中で)ハンドラーは私だけだったので、プレーでも引っ張っていこうと思っていました。シュートを打てるときは迷わず打って、ディフェンスが(シュートチェックに)出てきたら味方を生かせるようにと意識していました」と、補足する。

 トヨタ紡織に所属する21歳のシューティングガード。昨年は3x3の日本代表として「FIBA 3×3 U21ネーションズリーグ2024 (アジアパシフィック)」や「FIBA 3×3 U23ワールドカップ2024」に出場した。「リーダーシップを発揮するのは得意な方ではないので、まずはプレーでみんなからの信頼を得て、そこから発言や声を出すことにつなげていけたらいいなと思っています」と控えめだが、「昨年、ネーションズリーグやワールドカップに参加させてもらい、そこで経験して学んだことも多かったので、今回はプレーで経験したことを見せられるようにとは思ってました」と、頼もしい言葉も発する。

 トヨタ紡織では3年目の昨シーズン、Wリーグの試合でプレータイムを大幅に伸ばし、存在感を大きくした。チームの中でも期待の若手選手の一人だ。そうしたWリーグでの経験が3x3のステージに生きているのではないか。そう問うと伊波は「昨年の夏頃、Wリーグが始まる前に3x3を経験ができことが私にとっては大きくて。連戦がある中で、気持ちの保ち方とか、自分をコントロールすることなどを学ぶことができたので、それでトヨタ紡織でも限られたプレータイムの中で結果を出すことにつながったのかなと思います」と、昨シーズンの活躍の裏には3x3での経験があったことを明かした。

「3x3は個人の力も大事になってくるし、5人制とは違う動きもあるので、そこはやってて楽しいです。一人ひとりが得点に絶対絡まないといけないところも一体感を感じて楽しいですね」

 3x3とWリーグ。それぞれの経験が相乗効果となってレベルアップを続ける伊波。攻撃力の高いポイントゲッターは、これからもさらなる飛躍を目指す。

文・写真=田島早苗