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12月1日、台湾の新荘体育館で行われた「FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window1」で、男子日本代表(FIBAランキング22位)がチャイニーズ・タイペイ代表(同67位)を80-73で下し、アウェーの地で貴重な勝利を挙げた。
試合後の会見で、トム・ホーバスヘッドコーチは「すごい良かったと思います」と第一声。「第4クォーターが始まるときに同点になって、相手にモメンタム(勢い)がいって、アリーナもすごく盛り上がっていた。でも、ユウキ(富樫勇樹)が出て、みんな落ち着いたと思います」と、完全アウェーの熱気の中でも冷静さを保った選手たちを称えた。
また囲み取材でも、指揮官は選手たちの精神的なタフさを勝因に挙げた。
「全然急ぎがなかった。ディフェンスもすごく良かったと思います」と振り返り、戦術面では「最初は足りなかったペイントアタックが、次々と出るようになったのが大きかった」と、攻撃の修正が機能した点を評価した。
特に強調したのは、チームとしての「我慢」だ。相手が様々なアジャストをしてくる中、日本ベンチはあえて過度な対応を避けたという。「うちはちょっと我慢した。あまりアジャストしすぎないほうがいいと判断しました」。
具体的には、ディフェンスの変化について「(マンツーマンから)ゾーンに変えたら、相手のポイントガードたちにチャンスを与えてしまうかもしれない。だからそのまま続けました」と説明。我慢強く守り、攻め続けることで活路を見出した。
また、この試合のポイントガード起用についても言及した。勝負どころでコートに立った富樫勇樹と西田優大のラインナップについては、「あの2人は長い間一緒にやっているから、(連携が)落ち着いていた」と信頼を口にした。
一方、久々の代表戦となった安藤誓哉については、「誓哉は(今の体制では)だいたい初めてだから、何をするか(どうフィットするか)まだ分からない部分もあった。でも、彼はすごくいい選手だから任せました」と、実績あるベテランの個の力を信じて送り出した意図を明かした。
敵地でのタフなゲームを勝ちきり、Window1を2連勝で終えた日本代表。ホーバスHCは、「こういうウィンドウは難しいし、アウェーゲームは当たり前に難しい。でも、相手が来ることはわかっていた」と総括。その上で、来年2月のWindow2以降を見据え、「これからも対戦チームにアジャストしてチームを作っていく」と力強く締めくくった。
取材協力=小永吉陽子