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桜花学園のピンチを救った水林夢翔…指揮官も称賛「素晴らしかった」初先発で決勝進出に貢献

準決勝で先発起用された桜花学園の水林夢翔[写真]=SoftBank ウインターカップ2025
バスケットボールキング編集部

 12月27日、東京体育館で「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」女子準決勝が行われ、桜花学園高校(愛知県)が77−71で八雲学園高校(東京都)に勝利し、優勝した2021年以来4年ぶりの決勝進出を決めた。

 準々決勝の東海大学付属福岡高校戦でインサイドの要であるイシボディバイン(3年)を負傷で欠き、この日も出場できない状況。チームのピンチに先発に起用されたのが水林夢翔(2年)だった。水林は準々決勝でもイシボがベンチに戻ったあとにインサイドの一角を担ったが、初のスタメンとして出場したこの試合では33分16秒をプレー。16得点5リバウンドを記録し、ゴール下とミドルレンジを中心に得点を重ね、女王の屋台骨を支えた。

 試合後のメディア対応で水林は「最初は初のスタメンで、結構緊張していました」と率直な心境を明かした。その上で「でも、代わりになるなら自分がやるしかないと思って、40分間頑張ろうと決めました」と続け、大きなプレッシャーの中で覚悟を持ってコートに立っていたことを語った。

水林は決勝進出の立役者に[写真]=SoftBank ウインターカップ2025


 昨シーズンは出場機会が限られていたが、今シーズンは新チーム結成以来、インターハイやU18日清食品トップリーグを通じて実戦経験を積んできた。「去年はなかなか試合に出るチャンスがなかったんですけど、今年は新人戦から経験を積めましたし、トップリーグでも大事な場面で使ってもらえることがありました。そういう経験が少しずつ自信になってきたと思います」と、自身の成長を振り返る。

 自身の役割については冷静に分析する。「自分は点を取るタイプではないので、リバウンドとか、地味なプレーでチームに貢献できるように、日々の練習から意識しています」。この試合でもオフェンスリバウンド3本を奪い、セカンドチャンスを生み出した。

 八雲学園の留学生テウアダマとのマッチアップについては、「ペイント内は絶対にやられたくないと思って守りましたが、やられてしまいました」と振り返った。それでもフィジカルで引くことはなかった。「体格差があっても、低い姿勢で当たることや、リバウンドで負けないことは意識していました」と、自身なりの対抗策を明かしている。

アダマは準決勝で50得点を記録[写真]=SoftBank ウインターカップ2025


 桜花学園の白慶花コーチも水林の働きを高く評価した。「いや、すごかったですね。素晴らしかったです」と称えた上で、「スペシャルな選手であるテウアダマ選手を0点に抑えるのは難しい中で、セカンドチャンスのポイントとファストブレイクを止めるというプランを、チームとして実行できた」とコメント。水林を含めたインサイド陣の奮闘が、接戦を制する要因になったとの認識を示した。

 初の大役を終えた水林は、決勝に向けて気持ちを新たにする。「自分の得意とするリバウンドと、フィジカルでまず負けないことを意識したいです。その上で、点数も地道に決めていけたら」と意気込みを語った。

 主力を欠く厳しい状況の中で、準々決勝から準決勝へと役割を広げ、数字と内容の両面で存在感を示した水林。桜花学園はチーム一丸となり、夏冬連覇に王手をかけた。

文=入江美紀雄

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