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大阪薫英の原乙羽「明日は絶対に…」ウインターカップ初制覇へ“ビビらず”挑む大一番

準決勝では34分出場16得点を記録した原乙羽[写真]=伊藤大允
フリーライター

 大阪薫英女学院高校(大阪府)が女王の大会4連覇を止め、2018年以来の決勝進出を決めた。12月27日、東京体育館で行われた「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子準決勝で、大阪薫英は京都精華学園高校(京都府)と対戦。最終スコア80-71で勝利を収めた。

 両チームは近畿ブロックの覇権を争うライバル同士。6月の「第72回近畿高等学校バスケットボール大会」決勝戦で対戦した際は、オーバータイムの末に3点差で京都精華学園に軍配が上がった。

「京都精華さんは強いチームですし、近畿大会の決勝戦でも負けています。でも、今日は全員がアグレッシブに攻め続けて、ディフェンスでもしっかり構えて攻撃的にいこうという意識があったので、そこがポイントになったかなと思います」

 試合を振り返った原乙羽(2年)は、「とにかくうれしいです」と白い歯を見せて笑った。スモールフォワードを主戦場とする原の持ち味は、172センチの身長とスピードを生かしたドライブ。今大会の自身のプレーについては「自分の持ち味はドライブなんですけど、相手の留学生がゴール下でブロックに待ち構えているのに入りすぎてしまって、得点パターンが少ないのが今の課題です。ドライブしたあとの合わせのプレーは自分的にもよかったと感じる時もありますけど、まだまだやれるなって思っています」と謙遜気味に話した。

[写真]=伊藤大允


 しかし原は、土浦日本大学高校(茨城県)との初戦で20得点をマークすると、京都精華学園との一戦でも16得点をマーク。ここまでの5試合でいずれも2ケタ得点を挙げて存在感を示し続けている。

 大阪薫英の先発は、チームの柱である幡出麗実と三輪美良々(ともに3年)以外は原、松本璃音、細澤幸生の2年生が担う。安藤香織コーチは「今年のインターハイで負けたあと、松本や原、細山あたりの2年生に自覚が芽生えてきました」と下級生たちの成長を評価する。

 地元出身の原は、今回のウインターカップが大阪薫英の一員として挑む初めての全国舞台。昨年に加え、今夏のインターハイではメンバー入りを逃しており、「インターハイが終わって2週間後ぐらいに練習ゲームがあって、そこから試合に出させてもらえるようになりました。ブロックリーグ(U18日清食品ブロックリーグ2025)ではプレータイムが短い試合もありましたけど、少しずつスタートで使ってもらえるようになりました」と明かす。

「安藤先生には自分のプレーや性格の部分でも認めてもらっているので、チームに必要なことをやり続けようと意識していますし、自分の武器をものにできているから今があるのかなとも思っています」

[写真]=伊藤大允


 チームには原よりも速さとスキルのあるガード選手、高さのあるインサイドプレーヤーがいる。それでも2年生でスタメンを任されるには、プレー以外のところに魅力が詰まっているからともいえる。

「自分ではそう思っていないんですけど、安藤先生にはよく元気なところを見てもらえるので、まあ、これからもビビらずいこうって感じです(笑)」

 勝利後のインタビュー中も終始笑顔を絶やさなかった。その明るさこそが、チームに活力を与える源なのだろう。

 京都精華学園戦では勝敗が決した残り6秒にフリースローレーンに立った。しかし、2本とも決めることができずにタイムアップを迎えた。

「あれはやっちまいましたねー」と原は反省したが、すぐに「フフッ」と笑った。桜花学園高校(愛知県)との決勝は、初優勝をかけた大一番。「明日は絶対に決めきります」。そう言い残してロッカールームへと戻った背番号7が、明日も持ち味を発揮して優勝の原動力となる。

文=小沼克年

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