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元同僚とウインターカップの大舞台で激突…土浦日大・青井遙臣、1年生PGの誓い「絶対に戻ってくる」

1年生ながら土浦日大の先発を務めた青井[写真]=伊藤大允
フリーライター

 172センチ62キロ。コート上でひときわ細身だった1年生ガードは「来年に向けてもっとフィジカルを鍛えて、この舞台でも通用するようになりたい」とリベンジを誓った。

 12月27日の「SoftBankウインターカップ2025令和7年度第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」男子準々決勝、土浦日本大学高校(茨城県)は福岡大学附属大濠高校(福岡県)の前に屈し、準々決勝で涙をのんだ。ディフェンディングチャンピオンに善戦する場面もあったが、最終スコアは67-81。1年生ながらスターティングファイブに名を連ねた青井遙臣は、フィジカルと高さ、スピードを併せ持つ相手との差を痛感した。

「いつもならパスが回っている場面でも、相手のプレッシャーとかフィジカルに負けてパスが回らなかったです。自分がポイントガードなのに思うようなプレーができなくて、チームのリズムが崩れてしまったので深く反省しています」

 この試合は、青井にとって気にせずにはいられない一戦だったかもしれない。試合開始の瞬間には榎木璃旺(3年)、本田蕗以、櫻井照大(ともに2年)、そして同級生の白谷柱誠ジャック(1年)が目の前に並び、相手側のベンチには栗原咲太郎(3年)の姿もあった。四日市メリノール学院中学校(三重県)時代、全国中学校バスケットボール大会やJr.ウインターカップでともに頂点に立った元チームメイトがライバルとして立ちはだかったからだ。

四日市メリノール学院中OBが多数いる福大大濠[写真]=[写真]=SoftBank ウインターカップ2025

「自分1人で、向こうは4人でしたね」。青井は笑みを浮かべてティップオフの瞬間を振り返ったが、コート上では集中していた。「中学校の頃からみんなすごい選手でしたけど、特別な感情は全部捨てて、絶対勝ちにいくという気持ちで挑みました。最初から躊躇せずに自信を持ってガツガツいこうかなと」。

 1学年上の櫻井と本田とは、「テッタ」「ロイ」と呼ぶ間柄だ。「中学の後輩なので意識する部分もありましたし、ちょっと楽しめた試合でもありました」と話したのは、福大大濠でもエースを務める本田。中学時代に青井に話を聞いた際は、同じポイントガードの櫻井からはこんなアドバイスをもらったと教えてくれた。「テッタには、ガードが長くボールを持っていたら流れが止まるから、パスをさばく時はさばいて、自分で行く時は行くという区別をつけたほうがいいと教わりました」

 四日市メリノール学院中で培った実力を買われ、土浦日大では早くも主力の座をつかんだ。背番号11に与えられた主な役目はゲームコントロール。冷静な判断でオフェンスを組み立て、時には自らリングを狙う。高校はじめての全国大会となった今回のウインターカップでは、4試合すべてで20分以上コートに立って大きな経験を積むことができた。

チーム一丸で戦った土浦日大[写真]=SoftBank ウインターカップ2025

 

「ウインターカップを通してチームに溶け込めたというか、自分もチームの一員として一丸になれたことが一番よかったと思っています」

 青井はルーキーらしい飾らない言葉で今大会を振り返った。これからは土浦日大を背負い、「チームを勝たせられる」ポイントガードを目指す。

「これからは切り替えて、来年はゲームコントロールもそうですし、もっと自分が引っ張っていけるようなプレーヤーになりたいです。今年は3年生に声を出してもらって、それに自分がついていくという感じだったので、もっと自分から声を出していきたいと思っています」

 福大大濠との試合が終わると、3年間苦楽を共にした白谷と健闘を称え合った。「来年も絶対に戻ってきてリベンジするから」。青井はそう言葉を残して、冬のメインコートでの再会を誓った。

文=小沼克年

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