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福元源士の信頼に応えた角威武輝の逆転3P…鳥取城北がチーム一丸でアジアの頂点に王手

「大濠さんの借りを返したい」と語った鳥取城北の福元(左)[写真]=NBA Rising Stars Invitational
バスケットボールキング編集部

 6月26日、シンガポールで開催中の「NBAライジングスターズ・インビテーショナル」の男子準決勝が行われ、鳥取城北高校(日本)が清華大学附属高校(中国)と対戦した。グループリーグを1位で通過した鳥取城北は、中国の強豪を相手に大激闘を展開。最終スコア71-69で競り勝ち、見事に決勝進出を果たした。

 試合後、チームをけん引する福元源士がメディアに対応した。高さのある相手に対し、「リバウンドを取られたりしたんですけど、自分たちの持ち味であるトランジションで攻めることができていたので、そこは良かった」とコメント。前日の極東大学ディリマン校戦は互いの粘り合いのなか、ヒリヒリするような試合展開を経験していたことも生きたようで、「昨日良い経験ができたので、今日は(相手のプレッシャーに)ひるむことはなかったです」と冷静さを保ってプレーできたと振り返った。連戦の疲労があるなかでも勝ちきれた理由については、「中国大会で負けた悔しさもあると思うんですけど、チームでもっと成長しようという意識、チームの共通認識ができたので、そのおかげで勝てたかなと思います」と語る。鳥取城北は直近に行われた「第70回中国高等学校バスケットボール選手権大会」の決勝で、岡山商科大学附属高校(岡山県)に終盤で逆転を許し、50-52の僅差で敗れ準優勝に終わっていた。その悔しさを糧にチーム力が向上していることを明かした。

■信頼が生んだ逆転劇…福元から角への鮮やかなアシスト

 福元自身も、今大会を通じてプレースタイルの進化を感じている。「個人としてはやっぱり点を取ることを大事に考えています。そのうえで、自分が点を取るけど(ディフェンスが)寄ってきたら周りも生かす、というのを今成長させている最中です」と語るように、スコアラーとしての役割だけでなく、広い視野を持ったゲームメークを意識している。その成果が如実に表れたのが、第4クォーター終盤の勝負どころだった。58-60と逆転を許した直後のオフェンスで、福元は厳しいマークに遭うと、強引にシュートを狙うのではなく、アウトサイドで待つ角威武輝へパスを振ったのだ。「今日は自分のところに結構寄ってきていたので、そこで周りを生かしながらプレーすることを特に意識していました」と振り返る福元。「シュートを決めてくれると思ってましたし、決めてくれて良かったです」と、チームメートへの絶対的な信頼が生んだ鮮やかなアシストだった。

 福元からの信頼のパスを受け取った角は、この大一番で値千金の逆転3ポイントシュートを見事に沈めてみせた。角は前日の極東大学ディリマン校戦でアウトサイドシュートに苦しんでいたという。「昨日の試合で自分は3ポイントシュートが全然入らなくて。それで今日、しっかり決めようと思っていて。福元さんにダブルチームがかかって、フリーの自分に出してくれたので、入ってとても良かったと思います」と安堵の表情を見せる。緊迫した勝負の場面でも、「パスくれっていう合図は出してた」と強気な姿勢を崩さず、「パスが来たら絶対決めてやろうという気持ちでやっていて。そこを決めきれたのはとても良かった」と、シューターとしての意地と勝負強さを発揮した。

■世界の高さと強度を肌で感じ、さらなる成長へ

 勝負を決める活躍を見せた角だが、異国の地で世界の強豪と対峙するなかで、さらなる高みを目指している。「ディフェンスとかフィジカルっていうのはやっぱり日本と違って強いし、ディフェンスの強度っていうのも全然違うんで。もっと頑張ってやっていきたい」と、肌で感じた世界との差を成長へのエネルギーに変えている。自身のプレースタイルについても、「パスからのキャッチアンドシュートはだいぶ入ると思うんですけど、ドリブルからの3ポイントっていうのが自分のなかでの課題。そこはしっかり練習で調整して、決勝までにいい感じになればいいなと思います」と、現状に満足することなく課題と向き合う姿勢を示した。また、勝負を左右する厳しい時間帯にコートに立ち続けられたことについて「自分を信頼してくれたっていうのは、すごくうれしいことです」と、指導陣の起用に感謝し、それが大きな自信につながっているようだ。

国際大会での成長を感じつつ、新たな課題に向き合う角(左)[写真]=NBA Rising Stars Invitational

「相手が変わっても自分たちのやるべきことをしっかりやるという意識がどんどん高くなってきている」と福元が語るように、鳥取城北はシンガポールの地で試合を重ねるごとにたくましさを増している。突き指の痛みを抱えながらも「自分は楽しいときが一番うまいので。しっかり集中したうえで楽しむというのを意識しています」と頼もしい姿を見せるエースの福元と、そのパスから結果を残して自信を深める角。2人の見事な連携は、決勝でもチームの大きな武器となるはずだ。

 28日に行われる決勝の相手は、韓国の景福高校だ。角が「韓国さんもすごく3ポイントが入るし、今日のように大きいチーム。しっかりディフェンスから守って、しっかり走って、優勝できるように頑張ります」と意気込めば、福元も「去年の『借り』を返したいと思っています。同じ日本人としての借りを返せたらなと思いますし、決勝という舞台で良い経験になると思うので、もっとチームとして成長できるように頑張りたいです」と闘志を燃やす。前回大会では、同じく日本代表として出場した福岡大学附属大濠高校が準決勝で韓国の龍山高校に惜敗し、そのまま龍山高校が初代王者に輝いていた。日本代表としての無念を晴らすべく、誇りを胸に、鳥取城北がアジアの頂点を懸けた最終決戦に挑む。

文=入江美紀雄

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