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ママさんアスリート・前澤澪、「やることいっぱい」で「迷走中」…それでも原点に戻って優勝を渇望

復帰2シーズン目に挑む富士通の前澤 [写真]=Wリーグ
フリーライター

「もう原点に戻りました。私のできることは走ることや体を張ること、運動量を増やすことだったと思うので、まずはその原点に戻って自分のプレーをしていこうと思って試合に入りました。それが結果的にプレーに出てよかったです」

 10月16日、「大樹生命 Wリーグユナイテッドカップ 2026-27 グループステージ」で新潟アルビレックスBBラビッツとの一戦に臨んだ富士通レッドウェーブの前澤澪は、試合後、こう語った。

 最終的に96-60で勝利した新潟戦は、第1クォーターこそ相手の勢いに押されて17-16とわずか1点のリードで終えたが、第2クォーターからは点差を広げていくと、第3クォーターでは24-5と圧倒。一気に勝負を決めた。その立役者の1人となったのがこの試合10得点の前澤で、特に第3クォーター中盤には連続で3ポイントシュートを沈め、その後も目の覚めるような速攻でチームを盛り立てた。

 まさに前澤らしいと言えるプレーに、自身も「そうですね。最近の中では一番自分らしかったんじゃないかなとは思います」と言う。しかし、復帰2年目となった今シーズンは、チームが始動してからここまで「自分の中で調子がなかなか上がらなかった」とも語る。特に10月3~11日の期間で出場した「2026 KB国民銀行 パクシンジャカップ」(韓国)では、チーム自体は大会3連覇を達成したものの、個人としては「納得のいくプレーができていなくて、自分の中で何をしていいのか分からなくなったというか、ちょっと迷走してしまって。それで考え過ぎて、どんどんと落ちていってしまったところがありました」と振り返った。それでも、ユナイテッドカップに向けて気持ちを切り替えたのが冒頭のコメントだ。

 前澤は2021-22シーズンをもって1度引退すると、結婚と出産を経て昨シーズンに復帰。今は3歳になる娘の子育てをしながらバスケットボール選手としても活動している。その生活も2年目となり、「だいぶ生活スタイルにも慣れてきたので、時間の使い方、体のケアに当てる時間など、バスケットにかける時間は増やせてきてはいると思います。そこは自分の中でも、うまくやれているのかなと感じますね」と言う。

 プレーにおいても松蔭大学を卒業後に富士通に入団してから8シーズンはスターターを担ったが、昨シーズンからはバックアップとしての出場となった。こうした変化にも対応してはいるが、「(1度目の)引退をする前からずっとそうだったのですが、波がまだ全然あるので、そこを安定させないとヘッドコーチも安心して試合に出せないと思っています。今はまず自分のプレーを取り戻すことが最優先。もちろんそれはチームのためにということで、そこにフォーカスしていかないと、『つなぎ』にもなれないのかなと思っています」と自身には厳しい評価を下す。

 加えて新潟戦の後半の活躍にも「前半に出たときに乗り切れなかった。最初に出たときのファーストインパクトって相手にもそうですし、自チームが波に乗れるキッカケにもなると思うので、出た瞬間からいいプレーをできるような準備はこれからもしていかないといけないと思います。後半になって乗ってくるでは、控えとしてはちょっと遅いので」とやはり出てくる言葉は反省や課題が多い。

 そして「やることいっぱいですね(笑)。もう、このままじゃチームの力になれないから、そこをどうにかしないと。(シーズン開幕が)もうすぐなのに迷走中!」と苦笑いで付け足した。だが、その表情に曇りはなく、どこか困難に立ち向かう覚悟が決まった潔ささえも感じさせた。

「昨シーズンよりこのチームで優勝したいという気持ちがさらに強くなっています。何とか昨シーズン以上にチームの力になりたいという思いが強いですね」

 復帰した昨シーズンはWリーグ3位でシーズンを終えた。連覇が途切れたその悔しさを胸に、前澤は誰よりも優勝を渇望し、チームのために力を尽くしたいと考えている。

文=田島早苗

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