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銀メダル獲得のアジア大会をはじめ日本代表を経験…日立ハイテクの樋口鈴乃が初のプレミアへ参戦

代表活動を経て、初のWプレミアに挑戦する日立ハイテクの樋口鈴乃 [写真]=Wリーグ
フリーライター

「ペースアップすることを求められていたのですが、セットオフェンスになり過ぎてしまったと思うし、指示を聞きすぎて自分自身の波にも乗れなかったというか。『ちょっと変だな』という感じで試合に入ってしまい、それを40分間解消することができずに終わってしまったので、そこの切り替えをどうしていくかは課題だなと思いました」

 日立ハイテククーガーズのポイントガード、樋口鈴乃が胸の内を語ったのは10月15日に行われた「大樹生命 Wリーグ ユナイテッドカップ2026-27 グループステージ」の東京羽田ヴィッキーズ戦でのこと。この試合に先発出場して12得点3アシストをマークし、チームも後半に逆転勝ち(71-47)を収めたのだが、「チームとしては自分たちの流れが来ないときに我慢して、そして後半に集中して巻き返すことができたのですごくいい経験ができたと思います。でも、個人的にはゲームコントロールだったり、ペース配分だったりに課題が残る試合でした」と樋口は振り返った。

■代表合流直後のカップ戦…新HCのもと模索するオフェンスのバランス

 プレステージ・インターナショナル アランマーレ(アランマーレ秋田)から日立ハイテクに移籍した昨シーズンは、全24試合にスターターとして出場し、1試合平均で9.38得点6アシストをマーク。チームはWフューチャーで1位となり、Wプレミアリーグ昇格に貢献した。

 オフには日本代表候補としてアメリカでのキャンプや日本開催の国際試合である「三井不動産カップ」などに出場した。そして9月には若手主体で臨んだ「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」に日本代表としてコートに立つと、持ち前の得点力を生かして銀メダル獲得に一役買った。

 そうした日の丸を背負っての貴重な経験を積んだが、アジア競技大会を終えて本格的にチームに合流したのが9月末。今シーズンより指揮官が新たにイゴア・ジャレティッチヘッドコーチ(HC)になったこともあり、「本当に模索してるというか、何を求められて、どう応えるべきなのかというのを毎日すごく考えています。例えばノーマークであってもちょっと早すぎるから打たないでおこうとか、もっとオープンショットを見つけたほうがいいのか、それとも自分で打ち切ったほうがいいのかといったバランスは今、難しいなと感じているところです」と樋口は言う。

合流が遅れたため、現在チューニング中 [写真]=Wリーグ

 ユナイテッドカップは本格的にチームに合流してから日も浅かったため、こう語るのも致し方ないところはあるだろう。樋口も「でも、ヘッドコーチが毎日たくさんコミュニケーションを取ってくれるので、(迷いは)開幕までには解決して、いい状態で臨みたいと思っています」と前を向く。さらに、「外国籍のヘッドコーチで通訳も入る環境がまだあまり慣れてなくて。でも、そこはもっともっと慣れていかなきゃですね」と、いつもの笑顔が少し戻る。

■アジア大会で得た自信と収穫…「チームに新しい風を吹かせたい」

 先に挙げたようにアジア競技大会では大きな自信を得た。「アグレッシブに40分間プレーすることをアジア競技大会ではずっとチームの目標としてやっていて、ヘッドコーチのシンさん(大神雄子/現トヨタ自動車アンテロープスヘッドコーチ)にも毎日言われていたので、そこに関しては成長できたと思います。それをチームに持ち帰って、アジア競技大会を経験した選手は3人いるので、(合流したときには)チームができ上がった状態ではありましたが、自分たちが何か新しい風を吹かすことができればと思っています」と、代表活動を自チームにもつなげていく構えだ。

 白鷗大学を卒業後にアランマーレ秋田に入団。1シーズンを経て昨シーズンに同じフューチャーリーグの日立ハイテクに移籍したため、樋口にとっては今シーズンが初のプレミアリーグでの戦いとなる。

Wプレミア各チームのPGとのマッチアップを楽しみにしている [写真]=Wリーグ

「プレミアでプレーすることを1つ自分の目標にしてずっとやってきたので、めちゃくちゃ楽しみです」

 さらに「どのチームにもすごいポイントガードがいるので、その選手たちと毎試合マッチアップできるのがすごく楽しみで。だけど、さっきも言ったようにチームの戦術面や求められていることのニュアンスを理解して、細かいところを詰めていくことにはまだ不安があるので、もっともっと取り組んでいかないといけないです」と、現状を冷静に語った。

 取材中、「まだまだです」という言葉を繰り返した樋口。期待の若手ガードは苦悩の先にある答えを見つけ、そしてチームの勝利を目指して、待ちに待ったプレミアの舞台で大暴れする。

文=田島早苗

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