2020.09.23

【 #B飛躍の5年目へ】京都ハンナリーズ・小川伸也ヘッドコーチ「大事なのはお互いを尊重することと当事者意識を持つこと」

今シーズンから京都ハンナリーズを率いる小川伸也HC[提供]=京都ハンナリーズ
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 10月2日から開幕するBリーグB1に所属するクラブは昨シーズンの18から2つ増えて20となり、それにともなって東西2地区制へと変更となった。また、ベンチ入りできる外国籍選手が2選手から3選手になるというルール変更が行われたため、開幕5年目を迎えるBリーグでの戦い方は、大きく変化すると想定される。そこで、バスケットボールキングでは、B1全20チームのヘッドコーチにインタビューを行い、今シーズンの戦い方や目標などを聞いた。

 第12回は、9年間指揮を執った浜口炎氏が退団し、新たなチームとして生まれ変わる京都ハンナリーズ小川伸也ヘッドコーチ。小川HCは、新生ハンナリーズでどのような戦いを見せるのか。

インタビュー・文=岡本 亮
取材日=2020年8月19日

――まずは就任に至った経緯を教えてください。
小川 単純にオファーを頂きました。板倉玲奈GMからお話を頂いたのがきっかけです。

――選手時代から長らく過ごした滋賀レイクスターズを離れ、京都というライバルチームに行くこととなりましたが、迷いはありませんでしたか?
小川 ないと言えば嘘になります。でも、ライバルチームというよりもHCになるかどうかの感情が自分の中で強くて、どのチームに対しても特別な感情はありませんでした。HCになるかならないか、チャンスを断るのか受けるのかの選択が重要でした。

――小川HCは現在37歳。Bリーグの中では若いHCとなります。この年齢でのHC就任は想定されていましたか?
小川 正直、想定はしていませんでした。お話をいただいた時にびっくりしたというのが正直な気持ちです。自分としては、ショーン・デニスHCと良い関係を築けてる中で、彼がHCである限りは、彼のもとでアシスタントコーチを続けたいと思っていたので。なので、想定外のタイミングでした。

――今シーズンの補強について、レイヴォンテ・ライス選手と多くの日本人選手を獲得しました。補強の狙いを教えてください。
小川 ライス選手を獲得した理由は、永吉佑也選手を生かしたかったからです。永吉選手は、外国籍選手を守れて、高さとフィジカルを兼ね備え、なおかつ走れる。そこで、アウトサイドができる外国籍選手がいると攻守にバリエーションが増えるので、そういう狙いを持って補強しました。ライス選手は2番(シューティングガード)と3番(スモールフォワード)のポジションで使う想定ですが、フィジカルもあるのでインサイドも守れます。

――今シーズンから外国籍選手が3人ベンチ入りできるレギュレーションに変更となりました。この変更について印象を聞かせてください。
小川 昨年までのルールであれば、外国籍選手に頼らなければいけない時間帯が多かった。2人しかベンチ入りできず、彼らが40分近く出ることになるので、バスケットのクオリティー的にも我慢することが多かったと言えます。ですが、今年からローテーションができるので、外国籍選手のパフォーマンスとチームとしてのクオリティーが上がると思います。

京都ハンナリーズというチームのアイデンティティーを築く

――HCとして初のチーム作りに挑まれていますが、大切にしていきたいことは何ですか?
小川 まず大事なのはお互いを尊重すること。外国籍選手もいて、どうしても文化の違いだとか、今までのバックグラウンドが違う中、お互いを尊重してやることが重要です。それは選手間だけではなくスタッフ間、スタッフと選手間もそうです。尊重がないと物事は上手くいかないと思うので、お互いを尊重することは重要視してます。

 もう一つは当事者意識を持つことです。チームによっては勝ち負けに対して選手だけが熱くなり、スタッフは意外と冷静というか、冷めているようなチームもあると思います。僕としてはトレーナー、マネージャー含め、コーチ陣も含め全員が当事者意識を持ってほしい。全力で一つの物事にぶつかることによって、いろいろな意見交換も出てきますし、相乗効果も生まれると思うので、当事者意識も求めています。

――チームを作る難しさは感じていますか?
小川 全ての面で難しいですが、なかでも疲れのコントロールがすごく難しいです。例年だったら、みんなある程度休みがある中、自分で体作りをしたり、いろいろなことをしてから合流という形ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で3カ月くらい何もできなかった。外を走るなど、個人レベルでしかできなかった中で、どこまで強度を上げていいのかなど苦労しています。

――それでは、今シーズンの目標を教えてください。
小川  京都ハンナリーズというチームのアイデンティティーを築くこと。プロとして価値のある試合をすることです。

――最後に、ブースターへメッセージをお願いします。
小川  今シーズン、チームが一丸となって全力で戦う姿勢を全試合でお見せしますので、会場にこそなかなか来ることは難しいかもしれませんが、映像で観たり、ホームページで結果を見ていただいたりしてくれるとありがたいです。ともに戦ってください。よろしくお願いします。

「プロとして価値のある試合をすることが目標」と語る小川HC[提供]=京都ハンナリーズ

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