2023.11.20

苦悩のなか越谷を率いる安齋竜三HC「スタンダードを下げたら、それなりのチームにしかならない」

今シーズンより越谷の指揮官に就任した安齋竜三HC[写真]=B.LEAGUE
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 11月19日、各地でB2リーグ第8節が開催され、越谷アルファーズはホームのウイング・ハット春日部で、神戸ストークスとの第2戦に臨んだ。試合後の安齋竜三ヘッドコーチのコメントを、クラブがSNSをとおして伝えている。

 試合は第4クォーター残り3分44秒の時点で、69-68と越谷がリードしていた。しかし、そこから9-0のランを神戸に作られ、69-77で試合終了。越谷の連勝は「6」でストップすることとなった。

 安齋HCは試合終盤の場面で、チームとしての“自信”の差が勝敗を分けたと語った。「接戦の局面で誰がチームを引っ張っていけるか。その辺が今足りないところかなと思いますね。最後シュートを打てるのに全く打たない選手たちもいましたし、自信を何でつけるかといったらもう練習しかないので、それを続けていくしかないと思います」。

現在、11勝4敗で東地区2位の越谷[写真]=B.LEAGUE

 昨シーズンはアドバイザーとして越谷に携わり、今シーズンより指揮官に就任した安齋HCは、「僕は去年もいましたけど、そこまで口を出していたわけではないので、どちらかというとマイナスくらいの状況からやり出している感覚です」と心境を語った。

 現在のチームとしての課題は、選手たちの“自信”だと語るが、「答えが見えているわけではないですね」と吐露した指揮官。そのため、「選手たちが持っているものも全然違うので、自信をつけたいんですけど、今はひたすら落としまくっている状況です。そこから上がってこられるかを試しています」と、試行錯誤を繰り返しているようだ。

「今までのアルファーズはたぶんダメでも『次!次!』というチームだったと思うんですけど、それでは何の成長もないので、ブレックスでもやりましたけど、僕はまずダメなところはダメ、というのを言い続けて、それで自信が落ちている可能性も正直あります。去年までのびのびやっていた選手が全然のびのびできない。でものびのびやっていたらいいっていうもんじゃないのは僕の経験上感じているので、今はそこを追求し続けて、乗り越えられるかを見ているところです」

チームのカルチャーから作り替えているという安齋HC(右)[写真]=B.LEAGUE

 2021-22シーズンまでB1の強豪・宇都宮ブレックスで指揮を執ってきた安齋HCは、これまで“B1で日本一を目指す”ことがスタンダードだった。試合後の会見では、「そのスタンダードを下げずにやることについて、タレント等を比較したときにブレることはないか?」と質問が投げかけられると、「それは少し前まで悩んでいました。僕がもともといたチームとタレントのレベルも違いますし」と、素直な胸の内を明かした。

「彼ら(越谷の選手)は彼らなりにいいところもあって、僕が求めるレベルがきついかな、と本当に悩んで。でも、それを下げたら、それなりのチームにしかならないし、それなりの選手にしかならない。選手たちを押し上げたいという思いもあるので、『トップレベルの選手たちがこれだけ練習しているのに、俺らがそれくらいしか練習しなかったら、上にいけるわけないじゃん』っていうのも話しています。そこはもう言い続けて、ベースを落とさずにやっていこうと、ちょっと前に決めました。シーズンが進んで全然上がってこなかったら変える可能性もありますけど、今はベースを作りたいので、それを追い求めて一緒にやっていきたいなと思います」

 昨シーズンは45勝15敗の成績を収めるも、ホームで開催されたクォーターファイナルで西宮ストークス(現・神戸)に敗れ、シーズンを終えた。ちょうど今季の4分の1を終えたが、安齋HCのもと、越谷が今後どれだけの成長を見せるのか注目だ。

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