2021.09.16
9月9日、B3リーグの理事会が開催され、2022-23シーズン公式試合参加資格・第1次審査が行われ、「東京ユナイテッドバスケットボールクラブ」 「立川ダイス」「ヴィアティン三重」「湘南ユナイテッドBC」の合格が発表された。今後、2021年11月末が申請期限となる2022−23シーズンのB3リーグ公式試合参加資格・最終審査への申請後、理事会にて審議が行われ、2022年5月末までに参加資格の審査結果が出されることになっている。
その中の1つ、東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以下TUBC)の家本賢太郎代表にクラブ立ち上げのきっかけや今後の展望について、お話をうかがった。
TUBCは東京ベイエリア(東京東側エリア、東京湾・河川周辺エリア)を拠点とするが、これは家本代表が初めて会社を立ち上げたのが有明だったことによる。家本氏とバスケットボールの出会いは15歳のとき。中学2年次に脳腫瘍の摘出手術を受け、その後車いすの生活を余儀なくなれたが、そこで出会ったのが車いすバスケットボールだった。
家本代表はこれまでも平昌やリオ大会をはじめ、パラリンピックを観戦。「無観客になったので残念でしたが、東京パラリンピックも楽しみにしていました」という。「大会が終わったあとに何ができるだろうと考えていました。今まではIT関連の仕事をしてきたので、もっと地元に根ざした、地域に人たちがもっと元気になることは何だろうと考えていく中で、盛り上がりのタイミングも考えてバスケットボールのクラブを立ち上げることを決めました」。
コロナ禍によって失われた様々なつながりに対して、バスケットボールやエンターテイメントを通じて新たな出逢いを生み出し、グローバル都市TOKYOに人のつながりとコミュニティを生み出すクラブを目指していきます。
今から約4年前、クラブ立ち上げのアクションを起こそうとしたが、どのような手続きを踏んでいけばいいのかわからない。確かにクラブ立ち上げのマニュアルもメソッドもないのだが、まさに手探り状態でバスケ関連の人間を見つければ声をかけ、一つずつ準備を進めていった。
「バスケットボールは性別、年齢、障害の有無を超えて、多くの人が楽しめるスポーツ」と家本氏は語る。「私たちは、いかなる状況でも観客を魅了し、人を熱くさせるバスケットボールを全ての中心に置きます。選手、スタッフ、観客、関係者すべてがバスケットボールを最大限に楽しめるための環境作りと場づくりに努めます」と、バスケが地域と人を結ぶ中核とあり、クラブを運営していくコアになっていく。
これまでもいくつかのベンチャー企業を立ち上げてきたという家本代表。「私は慣れていますが」という“0”からのスタートだ。
「何もないところからスタートする、本当に0→1の立ち上げです。地域に根ざすことを宣言し、そのクラブを地元の皆さんと一緒に作っていきたいと思っています。確かにリクスはありますが、しっかりと旗を振りたい。そしてみんなに愛される共同体を作っていきたいのです」
TUBCは家本代表が言うようにまだスタートラインにも立っていない状況かもしれない。しかし、1次審査に合格したことにより、確かな1歩を踏み出したとも言える。これまでの多くが企業やクラブチームを母体としていたのに対し、TUBCはまったく何もないところからのすべてが始まる。これからどのように成長をしていくのか。注目をしていきたいと思う。
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