2017.07.29

【第1日男子総括】1回戦はほぼ順当な勝ちあがり、福大大濠が“夏の壁”を突破

福岡大学附属大濠高校(福岡県)は初戦で実践学園高校(東京都)と対戦した [写真]=青木美帆
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 例年以上の混戦が予想されている平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)男子。1回戦はほぼ順当な勝ちあがりとなった。ただ、昨年3位の実績をひっさげて地元開催のインターハイに挑んだ福島南高校(福島県)は、松江西高校(島根県)に69-85で敗れてまさかの初戦敗退。もう1チームの代表校、福島東稜高校(福島県)は文星芸術大学附属高校(栃木県)を相手に逆転劇を演じ、59-55の接戦を制して2回戦進出を決めた。

 北陸高校(福井県)や北陸学院高校(石川県)、中部大学第一高校(愛知県)や桜丘高校(愛知県)ら、ノーシード組の注目校が好発進する中、いささかの緊張感を持って初戦を注視した人も多いだろうと推測されるのが、福岡大学附属大濠高校(福岡県)だ。

 福大大濠は毎年、誰もがうらやむような豪華な選手層を誇りながら、ここ2年はインターハイにいい思い出がない。一昨年は北陸に、昨年は桐光学園高校(神奈川県)に敗れ、2年連続で初戦敗退に終わっている(昨年はU-18アジア選手権で主力3人を欠いた)。

 今年の初戦の相手は実践学園高校(東京都)。中学時代に全国準優勝のキャリアを持つメンバーがほぼ持ちがり、関東大会でもベスト4に食いこんだ実力校を相手に序盤こそ膠着した展開となった。しかし、高校生として唯一FIBA U19バスケットボールワールドカップ2017を戦った司令塔の中田嵩基やゴールデンルーキーの横地聖真ら下級生が躍動し、全員出場で83-57と快勝した。

 苦しんだ“夏の壁”をようやくぶち壊し、本来の強さを見せる準備は整った。明日の県立長崎西高校(長崎県)戦に勝利したら、次は昨年度準優勝の東山高校(京都府)との対戦が濃厚だ。

文=青木美帆

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